ハッピーエンドなんていらない 2

繰り返すのは ページ19

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や、やってしまった。


やってしまった……。




あれから家に帰って、すぐに自分の部屋に閉じこもってベッドで目を閉じた。

何も考えたくなかったから。


目が覚めたのは外が真っ暗になってからで、部屋の電気をつけてハッとしたのは15分くらい前の話。


それからずっと、ぐるぐると答えが出るでもない自問自答を繰り返してる。



机の上に置いてある、スニョンのキャップをぼーっと眺めた。


被せてもらったまま、帰ってきちゃったんだよなぁ。


あー、これ、返すってなるとスニョンに会わなくちゃいけないよね。


いやそもそも月曜日になれば学校があるし、そこで顔を合わせることになるんだけど。





「…あーーー」


ベッドからなだれ落ちるように床に座る。



手から伝わる冷たい床の感触が、私をあざ笑ってるみたいだった。




スニョンに会うのが、怖い。




スニョンから逃げたあの時、心の準備が欲しいなんて思ってたけど、そんな簡単な話じゃなかったんだ。




ずっと、ずっと側にいたの。

生まれてから、今までずっと。



隣にはスニョンがいた。



そんな、私たちにとって当たり前だった関係が壊れちゃうって分かってるのに、その心の準備なんて、できない。



ずるずると、力なく机に近づいてスニョンのキャップを手に取った。



キラキラ、水滴が太陽に反射して眩しいスニョンを思い出して胸がギュッとした。




「スニョン、」


その名前を声に出してみる。


こんな情けない私に、あなたはまた笑ってくれるだろうか。


私の名前を、呼んでくれるだろうか。





「……スニョン」



もう一度その名前を呼んだら、溜息と一緒に涙がこぼれた。




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