宝石みたいな ページ15
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「くあー!」
スニョンが蛇口に頭を近づけて、髪の毛を濡らした。
「ちょ、何やってんの」
「暑くてさぁ!」
スニョンが頭を振り上げると水滴が周りに飛び散る。
「俺の考えが浅かったんだなー。反省してるよ。結局、ソウンも傷つけちゃって…本当馬鹿だな〜」
「………私の話、どこから聞いてたの」
「ん?最近スニョンが笑ってない〜、ってところくらいからだけど?」
「そう、」
良かった。
ソウンちゃんに、スニョンのことが好きなんだって見抜かれたところは聞かれてないみたい。
「あの日さぁ、帰り道、Aに前歩いてってお願いしたろ?」
「う、ん」
「昔はあんなに頼もしく見えたAの背中が今じゃすっげー細くて……あ、普段はちゃんと俺が守ってやらなくちゃ!って思ってるからな!なのに俺はAに救われてばっかだなーって考えてた」
スニョンが私の持ってきたタオルを頭に被せて、ふっと笑う。
「お互い大きくなって、前みたいにずっと一緒って訳にも行かなくなって、色んな立場も変わって…けど、ちゃんとAはAで。やっぱり、小さい時から変わらず俺の1番はAなんだよなぁ」
…知ってる。前も聞いたよ。
私だって、スニョンがずっと1番だよ。
スニョンと少し、感情は違うけどね。
「Aが言ってくれたみたいにさ、俺もAが大切なんだよ」
スニョンの言葉が嬉しくて幸せで、
だけど、いつも痛くて苦しい。
その言葉も、いまこの時間も、全部全部。
幼馴染としての私じゃない私が、スニョンの中に存在していればいいのに。
スニョンが動くたびに周りに散る水滴が、キラキラして宝石みたいだと思った。
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sani(プロフ) - ぴっこりーのじみーさん» コメントありがとうございます(*^^*)ウォヌにドキドキしていただけて嬉しいです!私も書いてるあいだ、とても迷いました( ; ; )読んでくださりありがとうございました! (2020年12月12日 8時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
ぴっこりーのじみー(プロフ) - だめだ、、、スニョンの話なのに推しのウォヌにドキドキしてしまう。あー、感情が。何とも言えない(´・ω・`)w (2020年12月9日 5時) (レス) id: 67de14ac92 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - ひなのさん» ありがとうございます!そのお言葉がとっても嬉しいです(*^^*)最後まで読んでいただきありがとうございました( ; ; ) (2020年10月26日 20時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - 素敵すぎてもーきゅんきゅんが止まらなかったですTT涙出ちゃいました!! (2020年10月25日 21時) (レス) id: ede454b4f6 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます!Happy Endingリリースの発表の前に完結したお話なのですが、そのように言っていただけて本当に嬉しいです(*^^*)そして身に余るお言葉ばかり…ありがとうございます( ; ; )最後まで読んでいただき、ありがとうございました! (2020年8月7日 20時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sani | 作成日時:2018年9月10日 20時