ハッピーエンドなんていらない 2

たまらなく ページ12

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「暑い…」

「だから言っただろ、帽子被れって！」

「いやだって、まさかここに来るとは思わないじゃん」


夏休みも迫る日、午前中でも既に日差しは強くって、頭がじりじりする。


てっきり買い物やカフェに付き合わされるものかと思いきや、私たちがやって来たのは昔よく遊んだ公園で、日差しが容赦なく私を攻撃する。



「無理すぎる…」

「Aはちょっとは日に当たったほうがいい。こんな真っ白で…子どものとき思い出せ！太陽にも負けず遊んだろ？！」

「暑くて子どもたちもいないんだけど」

「まったく！どういうことだよ！」


暑さのせいかは分からないけど、公園にはベンチに座ってる私たちしかいなかった。


ふっ、と頭上に影が出来る。


スニョンと太陽が重なった。


「これ被っとけ」

「え、うわ」


頭に違和感が降ってくる。

スニョンが被っていたキャップを私に被せてくれたのだと分かると、熱い太陽からは守られているはずなのに、顔がすごく熱くなった。


「あれ乗ろ、ブランコ」

「本当にここで遊ぶつもり？」


スニョンがブランコを揺らすから、仕方なく私も立ち上がった。




「スニョン、汗が」


汗っかきのところ、小さいときからずっと変わってない。

多めに持ってきたタオルを渡すと、スニョンが「おーさんきゅー」と笑った。


これからも、こうやって一つずつ、スニョンの変わっていないところを探して、一つずつ安心していくんだろうか。



これだけ一緒に過ごしてきた私でも、スニョンの知らない部分、きっとまだまだあるんだろうなぁ。


幼馴染の私では知り得ないことをを誰かが知ってしまう。

スニョンのいろんな初めても、私はきっと知らないまま。



あーあ、

なんだか、たまらなく痛い。


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