あの子の秘密 2

もどかしい距離 JH ページ43

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赤い目をしながら、笑うAはとても綺麗だと思った。



思わず手が伸びる。


笑うAを見ると、自制心が効かなくなる。




この関係性を壊したくない。

それなのに心は、もっと、もっと、とAを求める。


その頰に触れたくなる。


抱きしめたくなる。



それはいけないことだと、心に言い聞かせていたのに。




繋いだ指が、もどかしい。



その瞬間、Aのいつも冷たいその指先が熱くなったのを感じた。




驚いて顔を見ると、真っ赤な顔をして手を引き抜こうとするから、グッと力を込めて離れないようにする。


「あ、ちょ、ちょっと無理です！無理！」


JH「…無理なの？本当に？」



ねぇ、この指が暖かくなる瞬間をずっと知りたかったんだよ。



「え、あ」



俺の質問に言葉にならない声で返す。


顔はますます真っ赤になるし、目は潤んでいる。



ああ、ダメだ。


そんな姿、誰にも見せないで。




Aの手を引っ張る。


そうすれば簡単に胸の中に収まってしまう。




Aの匂いが、体温が、伝わる距離。



今まで越えたくても越えられなかったその距離。



その距離を、守っていきたかったけど…



JH「…ごめん、我慢できなかった」




ぴくりと、Aの肩が揺れた。






このまま、閉じ込めていたいよ。




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