空気に溶ける HS ページ41
【ホシ side】
.
目の前のAの頰に、涙が一筋流れた。
HS「え?!どうした?!」
「あ、いや、ごめん」
そういって涙を拭ったAが俺の方を見る。
けれど、俺の向こうに誰かを見ている気がして心の中で大きくため息をついた。
あのさ、A。
きっと君の心の中にいる相手は…俺ではないんでしょ?
いつも、夢を見てたんだ。
隣で笑っていてくれるのが君だったらな。
俺だけを見ていてくれたらな。
どんなときだって一緒にいるし、絶対にいつも元気にしてあげるのに。
だけど、きっと、君は俺を選ばない。
HS「よし、今日はもう終わりにしよう」
「え…」
HS「Aのおかげでアイデアも沢山生まれたし、今日はもう大丈夫。…それよりさ、行くところがあるんじゃない?」
「あ……え、と、ありがとう」
いつも感謝を忘れないAが好きだった。
はじめて見た笑った顔、泣き声、抱きしめたときの感覚、全部、全部覚えてる。
本当に、心から好きだった。
だけど何も伝えられなかった。
ディノが動いた、と聞いたときは焦ったけれど、それでも結局、何も出来なかった。
臆病な自分。
だけど、それでAを困らせないで済んだのならば、いいとしよう。
HS「好きだ」
誰もいなくなった練習室で呟く。
言葉にしたら、胸のつかえが少しだけ取れた気がした。
この想いが無駄になってしまっても、Aと過ごした時間は消えないし、これからも関係は続いていく。
ああ、いつか誰かに届くだろうか。
誰かに伝えられるだろうか。
…ジフニは作業室にいるかな。
邪魔をしに行こう。
出て行けと言われても、今日は居座るんだ。
一人でいると、泣いてしまいそうだから。
.
1083人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sani(プロフ) - blueheart_825さん» わぁ( ; ; )素敵な話だなんて嬉しいです!コメントありがとうございます!! (2018年10月7日 23時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
blueheart_825(プロフ) - 素敵な話しすぎて心が浄化されました・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年10月7日 21時) (レス) id: 908e388155 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - いかさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです( ; ; )今書いているお話を頑張る力にもなります!ありがとうございます(*^^*) (2018年7月25日 17時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
いか - とても素敵なお話ですね。次回も楽しみにしています!応援してます(>_<) (2018年7月25日 17時) (レス) id: 599fdc1650 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - はるさん» わぁ(;_;)コメントありがとうございます!嬉しいです!!こちらこそ読んでくださりありがとうございました(*^^*)とても力になります。今書いているお話も頑張ります! (2018年7月8日 18時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:sani | 作成日時:2018年5月7日 16時