誰かのために 1 ページ23
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身体はすごく疲れているのに、何故か寝付けない。
色んなことが浮かんでは消えて、頭の中はまとまらない考えでいっぱい。
どうせ眠れないのなら飲み物でも買いに行こう。
溜息をひとつ落として、ホテルの部屋を出た。
ホテルの中にある自販機の前で、ひとりぼーっと並んでいる商品を眺める。
別に何かが飲みたかったわけじゃない。
鬱々とした考えに支配されたあの部屋から出たかっただけ。
自販機の稼働音に静かに耳を傾けていると、ホテルの廊下に引かれた絨毯を踏む音が聞こえた。
ああ、起きているのは私だけじゃないのか。
なんとなく安心する。
WZ「うおっ」
「あれ、ジフナ」
足音は遠くで聞こえたと思っていたのに、意外と近くにいたようだった。
WZ「びっくりした、何してんの」
「あー…飲み物を買おうかと」
一瞬の空白のあと、ジフニが口を開いた。
WZ「…なに飲む？買うよ」
「えっ？いいよ」
首を横に振ると、目の前の人は困ったように少しだけ口の端を上げた。
WZ「だってA、何も持ってない」
「え？…あ、あー」
自分の手には何も握られていなくて、部屋着の短パンのポケットには部屋のカードキーのみが寂しく埋もれている。
WZ「俺も喉乾いたから。同じのでいい？」
私が断る前に、飲み物が落ちる音が響いた。
「ありがと…」
WZ「おー、じゃあおやすみ」
「おやすみ」
ジフニの背中を見送っていると、その背中がくるりと向きを変える。
WZ「なんで戻らないの」
「いや、戻る。…もう少ししたら」
ジフニがはぁ、と息を吐く。
WZ「エレベーターの前に椅子あったな、そこ座ろう」
「え、ジフナは戻りなよ」
WZ「戻るよ、もう少ししたら」
私と同じような言葉を返すジフニに、ふっと息が漏れた。
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sani(プロフ) - blueheart_825さん» わぁ（ ; ; ）素敵な話だなんて嬉しいです！コメントありがとうございます！！ (2018年10月7日 23時) (
レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
blueheart_825(プロフ) - 素敵な話しすぎて心が浄化されました･:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年10月7日 21時) (レス) id: 908e388155 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - いかさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです（ ; ; ）今書いているお話を頑張る力にもなります！ありがとうございます(*^^*) (2018年7月25日 17時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
いか - とても素敵なお話ですね。次回も楽しみにしています！応援してます(>_<) (2018年7月25日 17時) (レス) id: 599fdc1650 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - はるさん» わぁ（；＿；）コメントありがとうございます！嬉しいです！！こちらこそ読んでくださりありがとうございました(*^^*)とても力になります。今書いているお話も頑張ります！ (2018年7月8日 18時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sani
| 作成日時：2018年5月7日 16時
