あの子の秘密 2

魔法のことば 2 SC ページ17

【エスクプスside】


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5月のカムバックのタイトル曲、『울고 싶지 않아(泣きたくない)』のLAでのMV撮影を控えた日、Aが大きな荷物を送迎車に積んでいた。


MH「Aヌナ？LAに行くのは2日後だよ？」


JH「え？間違えたの？ダサ」


ミョンホやハニの発言に笑っていると、バッグミラー越しに映る目つきを悪くしたAが低い声を出した。


「私は、今日の夕方の便でアメリカ行くんですー」

JS「なんで前乗り？」


隣のジスが目をぱちくりとさせて問う。


「あー、いや、少し休暇をもらってアイオワに。LAは後から合流します」

VN「ああ、おばあちゃんの」






まだAがテレビに映る側だったとき、涙を流しながら過去のことを話してくれたAを思い出す。



幼かったAを救った、もう今はいないその人。


その人がいなければ、こうしてAと出会うことも無かったんじゃないかと思うと不思議な気分だ。



友達にも会いたいし、と言葉を付け加えたAにドギョミがすぐに反応する。


DK「え！ヌナ、友達いるんですか！」


眉間の皺がどんどん濃くなるAに笑ってしまう。



JN「僕ら以外にも友達がいたんだねー」


SC「本当だな」



ジュニの発言に同意をして、また笑った。





Aは言葉を返さない。




だけど、その表情が嬉しそうに綻んだのをきっと他のメンバー達も見逃さなかった。


皆も同意の声を大袈裟なくらい上げる。



俺はジュニの頭をくしゃくしゃと撫でた。


SC「よくやった」


小声で伝えると、ジュニは不思議そうな顔をして、それでもずっと笑っていた。





君を救ったその人には敵わないだろうけど、いつだって話を聞くから。



君が、ずっとそうやって笑えていたらいいな。


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