あの子の秘密

出会ったのには 3 ページ35

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おばあちゃんは、私に必要な教育を施してくれた。


したくないことは、しなくていいと言った。



歌とダンスだけは子どもの頃から好きだった。


表現の世界、

時々魂が震えるような瞬間に出会うときがある。


心がまだ生きているって実感できる。


だから、それだけは続けた。



ママは、きっとそれはもう嬉しかっただろう。


まだAを活かせるものがある、と。



冷え切った家庭。

関心のない父親。

娘が見えていない母親。


韓国に戻って、全てに絶望していた。


そんなときだった。

リビングで付けっ放しになっていた大嫌いなテレビから流れる映像に目を奪われた。



セブンティーンプロジェクトの映像。



ああ、こんなにも真っ直ぐで、こんなにも楽しそうで、こんなにも必死な彼ら。


そんな彼らの近くならば。



それは私が選択したこと。


私が初めてママに抗った初めての記憶。





出会ったことには、意味があるの。





「ママ…違う場所で話そう」


事務所の応接室に場所を移す。


突然、ママが涙を流した。


「どうしてみんなママを苦しめるの」


ママがぽつぽつと言葉を紡が出す。



彼女の言葉はいつだって私に闇を運んでくる。




..



ママとの話が終わって、セブンティーンの皆に謝りに行かなくちゃ、とふと思った。



耳に綿が詰まってるみたいだ。


皆の顔をしっかり見れない。



ジョンハニオッパが私の髪の毛をぐしゃぐしゃに撫で回す。


いくら言ってもその行動は止まらない。



本当にやめて欲しくて声を荒らげた。


「ねえ！ちょっといい加減に」



だって、


その手の重さが、


その手から伝わる優しさが


今の私を守っているもの、全てを崩していく。





頰を、冷たいものが伝った。





謝るなんて口実で、ただ彼らに会いたかっただけだ。





ああ、


私には勿体ないことばかり。





ねぇママ、


もう、私は疲れたよ。



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