きっとそこは 4 ページ30
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こんな風に笑うのは、あのアメリカでの生活以来だった。
「…あー」
みんなが私を凝視していることに気が付いて、笑うのをやめた。
「なに?」
ハンソルが口を開く。
VN「…ヌナ、人間だったんですね」
「ええ?なにそれ、ロボットか何かだとでも?」
VN「いや、そうじゃなくて」
SG「そういう風に笑うんだなってことです!」
いつも通り、よく分からないハンソルの発言にスングァンがすかさずフォローを入れる。
「いつも笑ってるけど」
VN「いや、そうなんですけど、違くて、なんかこう、あんまり綺麗じゃないっていうか」
ブッとジョンハニオッパが吹き出す。
「…ハンソラ?今、めちゃくちゃ私を傷つけてるって気付いてる?」
VN「ああ、違うんです!ええっと」
WZ「…そっちのほうが良いよ」
「綺麗じゃないのに?」
HS「いや!綺麗だから!…あ、え、いや違う!あー違わないけど!」
狼狽えるスニョンを横目にあの当時のことに思いを馳せる。
ママは、私の笑い方が嫌いだった。
まだ幸せだと思っていた頃、幼かった私にママは"その顔で笑わないで"と言った。
誰もが美しいと思う笑顔の方法を徹底して身につけさせられた。
別に、だからって困ることはなかったし。
だけど、おばあちゃんは違った。
おばあちゃんがおっちょこちょいで面白くて、おばあちゃんの前で初めて大声で笑った日。
『そっちの顔の方が数倍かわいいわ!』
と、涙を流しながら、笑った。
そして私を抱きしめた。
ひたすら、ただひたすらに、胸が暖かくなったのを覚えている。
ああ、今、そのときの感情に似ている。
「どうして、みんな」
JS「なに?」
みんなが私を見る。
「…おばあちゃんみたいですね」
SG「は、いや、え?おばあちゃん?」
きっとここは、
この人たちは
いつも変わらない、暖かい場所。
知らないときには、もう戻れない。
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sani(プロフ) - いかさん» わぁ〜( ; ; )コメントありがとうございます!!好きと言っていただけてとっても嬉しいです(*^^*)書いて良かったなぁと思えます。本当にありがとうございました!! (2018年7月11日 20時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
いか - 面白かったです!このお話大好きになりましたヽ(^o^)丿 (2018年7月11日 20時) (レス) id: 599fdc1650 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございますうぅ( ; ; )こちらこそいつもいつもありがとうございます…!もっと良い作品が作れるよう精進します!いつも励みになっています!ありがとうございます(*^^*) (2018年5月4日 20時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - お疲れ様でしたぁぁぁ(*^^*)本当にいつもいつもいい作品をありがとうございます!今回も存分に楽しませていただきました〜!次回作も楽しみにしています〜! (2018年5月4日 14時) (レス) id: e209204b24 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - イチさん» ありがとうございます( ; ; )そのお言葉だけで私は救われますし、とっても幸せな気持ちになります…!お読みいただき、本当にありがとうございました(*^^*) (2018年5月3日 23時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sani | 作成日時:2018年4月18日 20時