決めたことは ページ2
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WZ「は?」
私の言葉に、怪訝そうな顔をするジフナ。
WZ「それは…どういう…」
「んー…一般的にいう恋人同士にはなれない」
私の返答に狼狽えるジフナ。
WZ「ちょ…ちょっとまって…Aヌナは俺のこと…す、好き、なんですよね?」
「どうやらそうみたい」
WZ「え…なのに恋人同士にはなれないと?」
本当に訳が分からないという表情で話すジフナを見ていると、なんだか可笑しくて笑いが込み上げる。
「あはは、うんー、遊びだとでも思えばいいんじゃない?」
WZ「そんな…」
「その方が気が楽でしょう、お互いに」
目の前のジフナの瞳がほんの少しだけ揺れる。
ごめんね、ジフナ。
大切な君の気持ちをなしにするような酷い言葉。
ジフナはそのまま、何かを考えるように下を向いてしまった。
重ねられたままの手が熱い。
WZ「あの…納得はできません。…できませんが、ヌナに考えがあってのことなら…分かりました」
返答の代わりに笑顔をその言葉に返す。
少し苦しそうな顔をするジフナ。
重ねられていた手が一瞬離れて、するりと指を絡められる。
自分の身体がこわばるのを感じる。
WZ「…触れたいときは…こうして触れても?」
ゆっくりと頷くと、そのまま抱きしめられた。
少しだけ早いジフナの心臓の音が聞こえる。
WZ「せめて、2人のときだけは…Aって呼んでも…いい?」
「うん」
少しだけ、強く抱きしめられる。
WZ「A…」
いつか、あなたが人生を振り返ったとき、
ああ、こんなこともあったなぁ、若かったんだなぁ、と笑って流せるように。
ただ、今は、この甘い時間を過ごさせて。
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sani(プロフ) - みいなさん» コメントありがとうございます!感想いただけて嬉しいです( ; ; )読んでくださりありがとうございました♫ (2022年4月16日 13時) (レス) id: a75bf160ab (このIDを非表示/違反報告)
みいな(プロフ) - 凄く素敵なお話でした。メッセージで主人公が思わず涙するシーンで思わず私も泣いてしまいました。ジフナと無事に再開出来て結ばれて良かったです。 (2022年4月10日 17時) (レス) @page42 id: 6dadd51152 (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - みつきさん» 読んでいただいてありがとうございます(*^^*)とてもあたたかいお言葉、うれしいです!ほかのお話も読んでいただけるとのこと本当にありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです(o^^o) (2019年6月21日 19時) (レス) id: e36f83df04 (このIDを非表示/違反報告)
みつき - 私は作品には作者様の特徴が表れると思っていますが、この作品は文章のタッチが柔らかくて読んでいて穏やかな気持ちになりました。ほかの作品も読ませていただきます。 (2019年6月21日 17時) (レス) id: fe7b9881cf (このIDを非表示/違反報告)
sani(プロフ) - satoetu61さん» わー( ; ; )ありがとうございます!2度も読んでいただけたなんて…感無量です!!嬉しいお言葉も本当にありがとうございます(*^^*)きゅんきゅんしていただけてたら幸いです! (2018年4月22日 19時) (レス) id: f23e3c8ef3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sani | 作成日時:2018年4月4日 19時