寂しい気持ち ページ15
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最近のジフナは面白い。
些細なことでもしっかりと話してくれるようになったし、
不安な気持ちも吐露してくれるようになった。
あの怒鳴り散らし事件があったあとから段々心を開いてくれているのだと思う。
だけど、私にばかり相談して、あまりメンバーを頼っていないように思える。
意地っ張りでプライドも高いジフナ。
勿論サポートするのが私の仕事だし、不満はない。
心を開いてくれて嬉しいという気持ちもある。
だけど、もっとメンバーを頼っていいんだよと伝えたくなる。
今日はジフナが書いた詞を見せてもらう。
若さ溢れる詞だ。
少年の心で、まっすぐに書いている。
「うん、なかなかいいじゃない」
WZ「この曲と合わせるのはどうかと思うんですけど」
適当に編曲をして言葉を当てていく。
「うん〜、ここはもっと印象を強くしたいから、言葉か曲調を変えてみて。
必ずしも最初から最後まで型にはめる必要なんてないからさ」
WZ「口でいうのは簡単ですけどね」
いつも生意気!
「はい、すみませんね。でも等身大で愚直で、いい歌だよ。」
WZ「それ褒めてます?」
「あはは!褒めてる!こういうところが君らの持ち味なんだから、それを活かしていこうよ。
無理やり大人にならなくてもいいからさ。あとはもっとこう…恋愛の要素も入れてみれば?」
WZ「はぁ。でも誰かと付き合ったこととかないし…」
ん、なんだ、そうなのか。
かわいらしい告白だな。
「いつか恋をする日がくるんだろうね」
WZ「う〜ん、どうなんですかね」
顔をしかめて話すジフナ。
「楽しみだね」
WZ「…べつに」
彼もいつか大人の恋愛をするようになるのかな。
そのとき、一体どんな曲をつくるんだろう。
彼らの成長をどこまで見守っていけるかな、と少し寂しくなった。
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作者名:sani | 作成日時:2018年3月26日 16時