WZ side：イライラ ページ11
【ウジ目線】
...
進まない作業にイライラする。
ほかのメンバーは練習に明け暮れる中、自分だけが作業部屋から出られない。
今つくっている曲もデビューするために必要な曲だ。
でもしっくりこない。何かが違う気がする。全然よくない。
いつになったらデビューできるのか、本当に自分のつくる曲でいいのか。
不安でイライラする。
サポートとしてやってきたあの人も、聞けば適格な答えをくれる。
でもこれは俺の仕事だ。任せることなんてできない。
ましてや自分から頼むなんて。
あぁ〜今日も徹夜コースだな。
「Aです。」
ノックと同時に聞こえてくるAさんの声。
WZ「どうぞ」
正直苦手だ。
顔は整っていると思うが、性格も女らしくないし、豪快に笑うし、
何よりしつこい。
何も知らないくせにデビューさせると豪語するのも正直虫唾が走った。
ユナさんがくれたコーラを飲んでいると
何に引っかかっているのか聞いてきた。
その"何か"の正体が分からなくて、冷たく突き放す。
「ジフナ〜」
なれなれしく呼ばれる。
今までの僕らのこと何も知らないくせに。
どんどん食い下がってくる彼女にイライラが増してくる。
つい最近やってきたお前になにが分かるんだ！
うるさいうるさいうるさい！
WZ「うるさい！」
一度口をついて出た言葉はとめどなく溢れてきた。
我に返ったときには、驚いた顔をしている彼女が目に入る。
あぁ、やってしまった。
スタッフといえど、年上の女性に何やってるんだ。
いっそ早く出て行ってくれ・・・
「なんだ！いえるじゃん！自分の気持ち！ジフナ〜〜〜〜」
WZ「・・・は？」
飛び込んできたのは耳を疑う言葉。
「そうか全部わかんなかったのね。」
そういって彼女は最初からやり直すことを提案してきた。
やり直す？こんなに時間をかけて考えたっていうのに？
「二人なら、できるよ」
簡単に言ってのける彼女に、従わざるを得なかった。
.
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作者名：sani
| 作成日時：2018年3月26日 16時
