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長い廊下をひたすらに歩き、一つの扉へと突き当たった。
この部屋は応接室であり、二人の仕事部屋となっているところだ。
長「しつれいしまーす‼」
長尾くんはそう言いながら扉を開けながら部屋に入った。
すると直ぐに二人の鋭い目線が此方へと向けられた。
叶「長尾君…君は何をしてるのかな?」
長「なにって…Aがあんたらに言いたい事があるんだってさ」
長尾くんはそう言いながら私の方を向き、にかっと笑った。
私はその笑顔に少し勇気をもらって、意を決して二人の方に向きなおった。
『あの…私、此処を出ていこうと思います』
私がそう言うと叶さんは驚いた表情をしたが葛葉さんは目を細めた。
叶「なんで…?君は此処でゆっくりしてていいんだよ?」
『……私は、子供じゃないんです。
なにかの役に立ちたい、二人を、助けたいんです』
これも私の本心だ。
二人を助けたい、恩返ししたい…そう思うのはダメな事なのだろうか?
叶「だからって、此処を出ていくことはないでしょ…⁉」
『……ここは、あまりにも温かすぎるんですよ
直ぐに二人の甘えたくなっちゃうから、出ていくんです』
だからこそ、此処を出て二人から離れないといけないのだ。
するとずっと黙っていた葛葉さんが叶さんの肩に手を置いた。
葛「叶、Aの意見を聞いてやろうぜ」
叶「……はぁ?葛葉、何言ってるかわかってるの…?」
私もその言葉に驚いてしまった。
叶さんより一番過保護だったのは何を隠そう、葛葉さんだったのだ。
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雪鈴(プロフ) - 咲さん» ありがとうございます!!裏の方では俺って言って欲しいなって欲望が出てしまった…直しておきます! (2021年7月21日 21時) (レス) id: de383840ec (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 設定がとても面白くて,一気に読んでしまいました!素敵な作品をありがとう御座います!後,細かくて失礼なのですが,甲斐田さんと弦月さんは一人称僕ですよ,,,! (2021年7月21日 15時) (レス) id: 7988901400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪鈴 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時:2021年2月2日 12時