第五話【夢の先に…】 ページ26
私が、この世界に来てもう一か月半経とうとしていた……。
叶さんも葛葉さんに、もの凄く良くしてもらってる……
でも、いつまでもこの生活を続ける訳には行かない。
『(どうにかして、下町におりるか別の場所に移って生活をしないと…)』
私だって成人女性で元々仕事をしていたんだ…何時までも二人に甘えてられないと考えるのは普通だ。
『(とりあえず、明日になったら叶さんに話してみようかな?)』
そうして、その日は眠りについた私。
次に目を覚ますと何処かの野原に座っていた。
『(あれ……?私、いつの間に野原に来たんだろ…?)』
そう考えてると後ろから肩に手を置かれた。
驚き後ろを振り返るとそこには穏やかに笑った葛葉さんがいた。
葛「ったく、相変わらずここが好きだよな[__]はさ」
『えー、だってここは二人との思い出の場所だもん。好きで何が悪いのー?』
私は驚いた。自分の口が勝手に言葉を放ったし、葛葉さんが私を呼んでるはずなのに名前の部分が聞こえなかったのだ。
葛「別に悪いって言ってねぇだろ……ほら、他のやつも待ってるから行くぞ?」
『はぁい……てか、今日は誰がいるの?』
葛「今日はドーラとほんひまと社と……他にも色々いる」
『叶は?』
葛「叶のヤツはあとから来るってさ」
『そっか、来るならいいや!!早く行こ!!』
そう言って"私"は葛葉さんの手を取って走り始めた。
葛葉さんは仕方がなさそうにそれに付き合ってれてる。
『(もしかして……これって、なにかの夢?)』
自分の耳に聞こえてくる声は私…みたいだけど、少し幼い声質をしている。
『(……"私"であって、"私"じゃない……?)』
可能性として考えられるのは"前世の記憶"と言うのであろうか?
……そうなってくると、私は元々この世界の人間だった…のか?
『ねぇねぇ、くずはぁ〜』
葛「んー?なんだよ?」
『……ごめんね』
"私"がそう言うと葛葉さんの表情が少し暗くなった。
葛「……お前が、誤るなよ」
そう言って、葛葉さんは前の方を向いてしまった…。
その見える背中がすごく寂しそうで、悲しさが漂ってる気がした。
そして、視界が黒くなったと思うと次に見えた映像は少し傷を負ったの叶さんが涙を流していた。
叶「【__】っ‼お願い、いかないで!」
これは、どう言う状況なんだろ…?
『……ごめんね、叶……これでしか、救えないの』
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雪鈴(プロフ) - 咲さん» ありがとうございます!!裏の方では俺って言って欲しいなって欲望が出てしまった…直しておきます! (2021年7月21日 21時) (レス) id: de383840ec (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 設定がとても面白くて,一気に読んでしまいました!素敵な作品をありがとう御座います!後,細かくて失礼なのですが,甲斐田さんと弦月さんは一人称僕ですよ,,,! (2021年7月21日 15時) (レス) id: 7988901400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪鈴 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時:2021年2月2日 12時