▽ ページ9
葛「ったく、人間はただでさえ柔いんだから…少しは自分の事、気にしろよ」
そう言いながら葛葉さんは私の頭を優しく撫でた……。
…あれ、私を嫌ってたはずでは…???
『えっと…葛葉さん、ありがとうございます』
葛「……別に、いいって…」
それから、何故か葛葉さんはベットの横にある丸椅子に腰を下ろして私をじっと見つめてきた。
『……あの、何か御用でしょうか?』
あの場所での警戒から大分大人しくなった…気がする。
葛「……あの時は、悪かった」
“あの時”……きっと初対面(?)の時を指してるんだろう。
『……あー、気にしてませんよ?
葛葉さんは当たり前の態度をとってたと思ってますよ?』
友達を危険から遠のけようとしてたって分かるしね…
私も同じ状況なら、きっと同じ行動をとるし…ね?
葛「…とりあえず、謝りたかった
その…ほんとにごめん」
しょんっとする葛葉さんを不意に可愛いと思ってしまったが、再び眠気が私を襲ってきた。
葛葉さんはそれに気づき、私の頭を再び優しく撫でてくれた。
葛「寝ていいぞ…お前が寝付くまでそばに居てやるから」
『………ありがとう、ございま、す』
まどろみの中、人よりはるかに低い手の温度に落ち着きつつ、私は意識を解き放った。
……Aが眠りにつくと、葛葉はAから離れて入ってきた窓を閉じた。
葛「……まさか、“この時代でも”お前に会えるなんて…な」
そう言う葛葉の瞳には涙が溜まっていた。
葛「…………“____”、覚えてなくても、お前に会えて…オレは、嬉しいぜ」
眠るAの頬をひと撫ですると葛葉はその部屋をあとにした……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪鈴(プロフ) - 咲さん» ありがとうございます!!裏の方では俺って言って欲しいなって欲望が出てしまった…直しておきます！ (2021年7月21日 21時) (
レス) id: de383840ec (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 設定がとても面白くて，一気に読んでしまいました！素敵な作品をありがとう御座います！後，細かくて失礼なのですが，甲斐田さんと弦月さんは一人称僕ですよ，，，！ (2021年7月21日 15時) (レス) id: 7988901400 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪鈴 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kinok/
作成日時：2021年2月2日 12時
