アルペジオを聴かせてよ...yuta.k

#49 ページ49

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ユリの結婚式から1日経った日曜日の午前。

今私は、紫耀の眠るお墓の前に立っている。

ここに来るのは昨年の夏以来で

約８ヶ月ぶりだった。


胸の前に両手を合わせ、心の中で紫耀に語りかける。









紫耀、久しぶり。

元気？って聞くのも変だけど

もし死後の世界があるんだとしたら

元気に過ごしていて欲しいです。



紫耀に伝えたい事が３つあって




１つ目は先週 。

紫耀が撮ってくれた写真の場所でお花見をしたこと。

一面、淡いピンク色に染まっていて

とっても綺麗だった。

紫耀と一緒に見れたらいいのにって自然と思っちゃった。

ステキな場所を教えてくれてありがとう。




２つ目は昨日。

親友の結婚式があったこと。

ウェディングドレスを着たユリはとても綺麗だったよ。

自分の大切な日なのに

紫耀がいなくなってからの私のことを心配してくれて

もっと強くならなきゃいけないなって思った。

私が強くなれるようにどうか見守っていて下さい。




最後、３つ目は

最近の私のこと。

少し心境の変化というか。

居場所を求めて、流されてばっかりだった頃は

相手のことも、紫耀のこともきっと沢山傷つけてたと思う。

どうしたって償う事は出来ないけど。


友達に相談したらね、

次に好きになった人を、その時の分まで好きになったら？って…

それが正しいか、正しくないかなんて、私には分からないんだけど

ただ、私もちゃんと人を好きになって

初恋をしてみたいなって、今、強く思ってます。

紫耀はこんな私を許してくれますか？

相変わらず自分勝手でごめんね…

でも、それが出来たら一緒に喜んで貰いたいし

出来なかったら笑い飛ばして欲しい。


どうか、遠くで応援していて欲しいです。






紫耀へ報告と宣言が出来てほっとする。

届いているかどうかは別の話だけど。

また、次に来る時には良い報告が出来るといいな、なんて思いながら…





さぁ、電車に揺られて

おうちへ帰ろう。

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