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「次、テンポ上げてもっかい弾かね？」
「いいよ！いくよ？」
徐々にテンポを上げてそれぞれの楽器を弾くのは
まるでゲームをしてるみたいだった。
１人で黙々と練習していると
あれこれと考えてしまうけれど
２人でこうやって弾くと
余計なことを考えずに、案外上手く弾ける様になったりして。
「あ、弾けたっ！」
紫耀の方を見ると
自分のことの様に、嬉しそうに笑ってくれていた。
弾き終えた頃には
成功した達成感で満たされる。
すると紫耀は突然、先程とは違う音を奏で始めた。
とてもキレイな音色。
だけどコードを押さえ、ストロークさせる弾き方とは違う。
曲の間奏で流れるギターソロの早弾きとも違う。
規則正しく並べられた単音。
それらが儚げに響き合って、胸がぎゅっと締め付けられた。
「何、これ…？」
「…ん？アルペジオって弾き方、知らない？」
紫耀は弦を押さえている方の
手元を見たままで答えた。
初めて聞く言葉に首を横に振る。
「だれか有名な人の曲なの？」
「……Aには内緒」
意地悪そうな顔で紫耀は笑っていた。
ギターをよく知らない私でも解る。
才能があるっていうのは紫耀みたいな人のことを言うんだって。
音楽の神様に特別に与えられたもの。
きっと神様は女性で、紫耀に一目惚れしたのかなって。
何でも良いから、何かの特別になりたかった私は
そう言い聞かせることで
やっと自分を納得させることが出来たのだった。
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moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます！亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです！ (2019年4月7日 8時) (
レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました！これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2019年4月3日 22時
