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「…全然、キレイなんかじゃないよ。間違えてばっかりだし」
音を外したのも聞かれていた筈なのに。
的外れな紫耀の言葉に、少し冷たく言ってしまう。
「…俺は好きだよ？Aのピアノ」
決して目は合わせず、伏し目がちにそう言っては
ピアノの隣まで来て
どかっと床に腰を下ろした。
「…合わせるから、ゆっくり弾いて？」
胡座をかいてギターを抱える紫耀は
今度は私の目を真っ直ぐに見る。
私は頷いて
また鍵盤の上に指を乗せた。
曲の始めからゆっくりと弾き始めると
コードを探るようにワンテンポ遅れて
ギターの音が聴こえてくる。
ギターのことは詳しくはないけれど
紫耀は１度聴いた曲には
すぐにギターの音を当てはめることが出来るらしく
それはきっと、すごいことなんだと思う。
混じり気のないシャープな和音。
なのにストロークは優しく、どこか力強くて。
その綺麗な容姿を差し引いても
ギターの音色だけで
それを聴いた人々を恍惚とさせる魅力がある。
ゆっくりと１曲を弾き終えた頃には
なんとも言えない心地よさに
全身が浸ってしまっていた。
ずっと続いていて欲しかったと、物足りなさを感じる程に。
「…私も好きだよ、紫耀のギター」
紫耀の絶対的な才能に
尊敬と、少しの嫉妬が混ざる。
「まぁ、天才だからな」
ははっと口を開けて笑う紫耀はとても満足気に見えた。
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moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます！亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです！ (2019年4月7日 8時) (
レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました！これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2019年4月3日 22時
