#33 ページ33
.
お花見が終わると、また次の日から
いつも通り仕事の日々が始まった。
ただひとつ違う事と言えば
今週末は高校時代の友人の結婚式があり
半休を使って、金曜の午後から実家へ帰ることになっている。
金曜日までに仕事を片付けるのが今週イチの課題。
それを意識して前倒しで仕事を進めた。
その甲斐もあって、無事に夕方過ぎに実家に着くことが出来た。
私が家を出てから
父と母の２人で暮らすには広過ぎるお家。
決して“大富豪”という訳ではないけれど
父は地方銀行の社長をしており
割と裕福な家庭で育ったに違いないだろう。
『Aちゃん、おかえり。どうぞ入って』
インターホン越しに母親の優しい声が聞こえる。
すると、玄関の扉が開きお手伝いさんが出てきた。
「Aさん、おかえりなさい。お荷物、お部屋まで運びますね」
「ありがとうございます」
お手伝いさんに持っていたキャリーケースを預け、家に入るとリビングへと向かった。
「…ただいま」
リビングの扉を開けるとキッチンに立つ母の姿を見つける。
「おかえり。Aちゃん帰ってくるからお母さんも一緒に夕飯作ったのよ。」
普段はお手伝いさんが家事をしてくれている筈だけど
母も、私の帰省を楽しみにしてくれていたんだと思うと素直に嬉しくなる。
リビングを出て大きな洗面台で手を洗う。
両親を心配させない様に
鏡の前で笑顔を作って、またリビングへと戻った。
夕食とお風呂を済ませ
自室の部屋のカーテンを少し開けた。
今日あたり満月なのだろうか。
窓の外には丸い月が光っている。
私は机の引き出しにしまっていたスマホを取り出しては
昔のことを思い出していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます！亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです！ (2019年4月7日 8時) (
レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました！これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：moco | 作成日時：2019年4月3日 22時
