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Aさんと２人きりになって
彼女の家までの道をまたゆっくりと歩き出す。
「Aさん、今日のお弁当ほんっとに、マジで美味かったです！ありがとうございました！」
「本当？昔、習い事でお料理教室通ってて。意外と役に立つものだね」
「え、お料理教室？そんな本格的な？」
「ぜーんぜん。親に無理矢理…嫌々通ってたんだよ？」
Aさんは口調こそ明るいものの
遠くの方を見つめながら
眉毛を下げて、儚げな顔をしていた。
そして小さくふっと息を吐いて
ゆっくりと歩いていた足を止める。
それにつられて俺も振り返っては立ち止まった。
「あのね、優太くん」
真っ直ぐに淀みない瞳で
俺の目を見るAさんは
何かを決心したような
ほんの少しだけ、緊張したような面持ちだった。
「はい、どうしました？」
何を言われるのかと
俺にも少しの緊張が移り、声が強張る。
「…今日ね、もし好きな人が出来たら、過去の自分の分まで好きになったらいいって言ってくれたじゃない？」
にこにこと笑顔が多いAさんが
いつになく真剣な顔をしてるのに、どきっとしながら
朝のやり取りを思い出して頷いた。
「…それで、私…。今まで、ちゃんとした恋とか出来ないからって、無意識に遠ざけてたのかなって…」
「…遠ざけてた？」
「…うん。何て言うか…恋愛自体、してはいけないものだっていう感覚があったんだと思う。実際、後悔することばっかりだったし。…でも、優太くんの言葉を聞いて、変わりたいなって思って…」
Aさんは
ゆっくりと頭の中を整理するように
考えを巡らせながら
ひとつひとつ言葉を選んで
そして照れくさそうに微笑んだ。
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moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます！亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです！ (2019年4月7日 8時) (
レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました！これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2019年4月3日 22時
