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#25 ページ25

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彼女は俺の職場の向かいのカフェの前で

1枚の写真を眺めている。


不思議なのは、さっき女性が歩いて行った方向とは逆の場所にいる、ということ。


待ち合わせという雰囲気には感じなかった。


吸い寄せられる様に女性のいる方に足が向く。


すると、彼女はさっきとは別の方へ歩き出した。




とっさに彼女を引き留めるように声を発してしまう。




「あの……何か探してるんですか?」




俺の呼び掛けに、キレイな髪を揺らして振り返る。



白い肌にほんのりピンク色の頰。


グレーがかった白い服装も


色素が薄そうな透き通った瞳も


それらは夕日のオレンジ色にキレイに染まっていた。



つやつやとした唇だけが


その白い肌とは対照的に赤く浮かぶ。




とても、可愛くて、…すごく、綺麗で。




彼女を一目見ただけで


心臓はドクンと大きく跳ね


その瞳から目を離すことが出来なかった。






「…この場所を探していて……」




彼女の声ではっと我に返り、差し出された写真に目をやる。



「ここって……。」



その写真には何度か行ったことのある、思い出の公園が映し出されていた。

楽しかった記憶が蘇ってくる。





「あの…どうかしましたか?」



女性は心配そうに俺の顔を覗き込む。



「俺、この場所知ってますよ。」



スマホを取り出し、地図アプリを起動する。


ちゃんと伝わる様にゆっくりと道を説明した。




「ありがとうございました」


ぺこりとお辞儀をされると、すぐに目的地へと向きを変えられてしまう。




「あ、ちょっと待って…!」



頭よりも先に体が動き、彼女の手首辺りを掴んでしまった。


自分の行動に驚き、すぐにパッと手を離す。





「あ…、あのビルの5階のバーで働いてて。いつでも飲みに来て下さい」




相変わらずドクドクと煩い心臓の音を


かき消す様に笑顔を作る。


もうそれだけで精一杯で。




彼女の反応を見る余裕もなく、店のあるビルの方へ歩いて行った。

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設定タグ:岸優太 , King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
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moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます!亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです! (2019年4月7日 8時) (レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました!これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:moco | 作成日時:2019年4月3日 22時

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