検索窓
今日:5 hit、昨日:11 hit、合計:67,922 hit

#24 ページ24

#yuta.




春の陽気の中、お酒も進みいつの間にかまどろんでしまった俺は


あの日あなたを見つけた日の夢を見ていた。






いつも通りの土曜日。


ただ少し変わったことと言えば


和也さんが出勤前に用事があるからと


買い出しを頼まれたこと位だった。



軽い二日酔いは毎日のことで


つくづくバーで働くには向いていない体質だ。


それでも今の職に就けたことに感謝する程度には、満足している。





気怠い体に合わせて、ゆっくりと

店の近くにあるスーパーまではあと少し。


お酒は業者が納品してくれるけれど

食材は個人店ということもあり、発注が難しい。

冷凍の物以外は、毎回スーパーで調達している。





買い出し用のメモを取り出して

スーパーの店内を思い浮かべながら回る順序を確認する。




野菜はレタスに、トマト、玉ねぎ。

それから調味料のコーナーで

ケチャップとスライスガーリックをピックアップして。

缶詰のツナとコーン、瓶詰めのピクルス。

そして、乳製品売り場で…



頭の中でパッケージを思い浮かべていると


ふわっと、一瞬あまい香りがした。


香ってきた方を振り返ると


たった今すれ違ったばかりの女性からだった。



顔は見えなかったけれど


白っぽい色で統一された服装が


夕焼け前の金色の光に照らされて


その人を形取るように


発光して見えた。




歩くたびに、光に照らされた髪が


柔らかそうにふわりと揺れて。






「………てん、し?」





無意識に呟いていた自分の声にはっとする。


自分のやるべき事を思い出し


またスーパーへ向かって歩き出した。









買い物を済ませ店を出る。


時間にしたらほんの十数分だろうか?




刻一刻と陽は傾き


外の景色はすっかりとオレンジ色に変わっていた。


重い買い物袋を両手に持ち


来た道を少し戻れば、目的のビルの前だった。




しかし、視界の端に1人の女性の姿を見つけてしまう。



服装と髪型からして、先程の“天使さん”に間違いなかった。

#25→←#23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (157 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
242人がお気に入り
設定タグ:岸優太 , King&Prince   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

moco(プロフ) - りんさん» りん様、ご覧頂きありがとうございます!亀更新になりそうですが、続きもお読み頂けたら嬉しいです! (2019年4月7日 8時) (レス) id: 169c616d0b (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼致します。お話読ませて頂きました!これからのお話も楽しみにしています。 (2019年4月7日 1時) (レス) id: 2bc4477fb2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:moco | 作成日時:2019年4月3日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。