7話 ページ8
小さいころ、お兄ちゃんたちはいつも私を助けてくれた。
一緒に居てくれたし、笑わせてくれた。
そんなお兄ちゃんたちは優しくて、格好良かった。
私にとってのヒーローだった、憧れた。
(すっかり変っちゃったなぁ)
そんなお兄ちゃんたちも今では過保護、過干渉が酷く、世間一般で言う“毒親”とほぼ同じ。
もはや“毒兄”というような存在になってしまった。
結婚式を開いたらお兄ちゃんとバージンロードを歩きたいなと思った昔の夢も、叶いそうにないほど拗らせている。
ただ、そんな拗らせもお兄ちゃんたちは別に私のことが大好きだから拗らせているわけではない。
大好きなお母さんの約束だから、それに今でも囚われているのだ。
私以外の人のことを思いながら私を守るだなんて卑怯だなとも思う。
家族は他人だ、だけど家族だ。
当たり前のことだけど、それに囚われて、がんじがらめになって、狂ってしまえば元も子もない。
お兄ちゃんたちはそんながんじがらめの状態で過ごしている。
ああなんて気持ち悪いのだろう。
お兄ちゃんは私の__だなんて、ふざけている。
ベットに入り、瞼を閉じて昔を思い出に浸る。
色んな思い出が鮮明に蘇ってくる。
いつのまにか引っ越した隣の男の子のこと、お母さんとのやり取り、一緒にデートした休日。
どれも大切な思い出だ。
(私の好きなお兄ちゃんに戻って欲しい)
心の奥底でそう願いながら、眠りについた。
夢の中では私とお兄ちゃんが一緒に遊んでいた。
もう手に入らないかもしれない賑やかな日々。
あったかくて、優しい。
穏やかな原っぱでゆったり過ごす昔の私たち、
とても羨ましい。
お母さんやお父さんもやってきて五人で仲良く過ごしている。
これが、私の望んだ日常だ。
するとその中男の子がやってきて、私のことを突き飛ばした。
男の子を追いかけてきた大人の女性が、お父さんを奪い去っていく。
お兄ちゃんたちは憎しみに満ちた顔で男の子のことを追う払う。
お母さんはその姿を見て涙を流し、すうっと消えていった。
(やめてお父さん、お兄ちゃん、お母さん)
その後お兄ちゃんたちは今の姿になった。
音也君が現れて、私は音也君の方に向かう。
音也君が私を抱きしめた後、醜い獣へと変化する。
お兄ちゃんたちは剣を持って戦ったけど、二人とも殺されてしまった。
(お兄ちゃん、音也君。なんで?音也君は獣じゃない!お兄ちゃんもここで死なないのに。嫌だよ)
「ー−!!」
声にならない悲鳴を上げて、意識は途切れた。
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すにすな@さくらぁ - *桜もち。さん» やっと更新したよ〜一応もう流れは最後まで決まってるから、更新停止にならないレベルでポツポツ更新していく予定✨ (9月25日 22時) (レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - 久々の更新だ〜〜〜!!!まじで楽しみにしてました!!!やっぱり好きだなあ………この小説…✨ (9月25日 17時) (レス) @page14 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - すにすなさん» しかも確か観覧車の中でだったよね?笑 弓弦お兄ちゃんスパイの才能あるのでは……… (2022年9月23日 16時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
すにすな - カテゴリーJ♢桜もち。さん» ありがと〜!!!なんでお前見てるんだよって私も書きながら思った……笑 (2022年9月23日 16時) (レス) id: 3bd902a602 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーJ♢桜もち。 - テスト期間お疲れ様〜!!更新楽しみにしてました!!!弓弦お兄ちゃん2人のキスまで見てたのか……すげぇ((ドキワクな展開だね〜💖 (2022年9月23日 14時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すにすな@さくらぁ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruriruhomupe1/
作成日時:2022年7月29日 19時