6話 ページ6
『詳しく話を聞きたい』
四つの冷たい目が、じっと私の方を見る。
恐怖という感情で、胸の中がいっぱいになった。
「別にお兄ちゃんが思ってるようなたいしたことじゃないよ。ただ、カフェ行って二人で勉強しただけ」
「勉強？勉強嫌いな蘭音がか？」
「テスト前だからって誘ってくれたの、別に勉強していいでしょ」
「ふうん、そんな理由で二人きりになったんだ」
「店員さんもお客さんも居たし、完全に二人きりってわけじゃあ＿」
「もしかして、三戸部音也のこと好きなの？」
(なんで音也君の名字も知ってるの!?)
「なんで名字もって知ってるかって？妹のクラスメイトを把握するのは当然だろ」
弓弦にいは平然とした顔でそう言う。
恐怖で全身に鳥肌がたった。
未だに捕まれてる手、だんだん力が強くなってきてとても痛い。
(何考えてるかすら把握されてる!?)
「いいか、三戸部音也は関わっちゃいけないやつだ。俺らが調べて分かった。アイツは狂ってる」
「蘭音怖いの？大丈夫。僕らがが守ってあげるからね。だって僕らは蘭音の＿＿」
「…いい加減にして」
恐怖が怒りへと変わって、遂に爆発した。
普段兄たちをよく起こすからだろうか、思ってた以上に大きな声が出た。
「お兄ちゃんたちに音也君の何がわかるの？音也君を悪く言わないで！」
呆然としてる隙に捕まれた手を放した。
お兄ちゃんはショックを受けすぎてるのか、手を放してもぴくりとしない。
「私もう高2だよ、いちいち探るとかしないで。何なの昔の子供じみた約束にまだ執着してるの!?はっきり言って気持ち悪いよ。狂ってるのはそっちでしょ」
一度言ったらもう止まんなくて、無我夢中で喋る。
とにかく必死だった。
「弓弦にいも奏真にいも昔と全然違う。全く優しくない！格好良くない！全然お兄ちゃんじゃない。こんなことになるなら、私、妹として生まれなきゃよかった」
そういったところで、涙がぽろっと流れた。
必死に泣き止もうとしても、全く止まらなくて。
それどころかどんどん涙は出てきて。
(なんで泣いてんの、泣くな私。折角言ってやったんだから。こんなところで泣くのは格好悪いし、ずるいし)
「蘭音、大丈夫？」
涙を拭うとしたのか、手を出してきたけどそれを手で払う。
「部屋戻る、もう寝るから部屋には来ないで」
そう言って私は二階の部屋に向かった。
制服から私服に着替える。
時刻は7時半。
まだ寝れそうにない。
「昔は優しかったのにな」
ベットの中でそう呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すにすな＠さくらぁ - ＊桜もち。さん» やっと更新したよ〜一応もう流れは最後まで決まってるから、更新停止にならないレベルでポツポツ更新していく予定✨ (9月25日 22時) (
レス) id: 7e45e119a7 (このIDを非表示/違反報告)
＊桜もち。(プロフ) - 久々の更新だ〜〜〜！！！まじで楽しみにしてました！！！やっぱり好きだなあ………この小説…✨ (9月25日 17時) (レス) @page14 id: 849756f787 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーＪ♢桜もち。 - すにすなさん» しかも確か観覧車の中でだったよね？笑 弓弦お兄ちゃんスパイの才能あるのでは……… (2022年9月23日 16時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
すにすな - カテゴリーＪ♢桜もち。さん» ありがと〜！！！なんでお前見てるんだよって私も書きながら思った……笑 (2022年9月23日 16時) (レス) id: 3bd902a602 (このIDを非表示/違反報告)
カテゴリーＪ♢桜もち。 - テスト期間お疲れ様〜！！更新楽しみにしてました！！！弓弦お兄ちゃん２人のキスまで見てたのか……すげぇ((ドキワクな展開だね〜💖 (2022年9月23日 14時) (レス) @page13 id: 5027370f8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すにすな@さくらぁ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ruriruhomupe1/
作成日時：2022年7月29日 19時
