過保護者達 (ページ48)

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赤side

ゆっくりと扉を開いて外を確認
流石に目の前で見張っているやつは居ないらしい

赤「ええか。危なくなったら俺を置いてでも走れよ？」
黄「え、シゲと離れるなんて無理やって…」

キュッと俺の服を握ってくるのにキュンとしている暇は無い

忘れ物はないことを確認して
2人で引っ付いて楽屋を出る

黄「ホンマに狙われているとは…」
赤「どうやら外だけやないな…俺らの仕事状況分かって狙ってきてるやん」
黄「どないしろって言うねん…」
赤「眠たさは？」
黄「うん。眠いよ。でも緊張感が強いからまだ起きてられる」

廊下は誰も居らへんな…
エレベーターで襲われると流石に適わへんから
しんどいけど階段で降りていく

黄「しげぇ」
赤「ん？」
黄「あつい…」
赤「ぁ、限界か…」

ふらつき出した身体を支えながら
降りていく

黄「しげぇ…」
赤「おぶったろか？」
黄「ちがうねん…あつい」
赤「多分身体の変化する時のやろ？眠たいなら仕方ないよ」
黄「ちがうの…身体の奥…」
赤「歩けそう？」
黄「うん…」

肩を貸しつつ転けないように気をつけて外へ辿り着いた
局の外に出るということは
カメラも無いから余計に危険や

メンバーには一応先生が迎えに来ていることは伝えているし
最悪のことを考えて俺のスマホで
位置情報を送っておく

さっかからどんどん淳太の息が荒くなっているのが
めっちゃ気になる！

赤「しんどい？」
黄「はやく…くるま…」
赤「どんな車って言ってた？」
黄「でんわ…して？」

自分のスマホを俺に渡してくるぐらいやから
かなりキツいんやろうなぁ…

普段でも変わるタイミングは意識ない時多いし
ほんまは倒れ込みたいんかもな…

ホーム画面にあまりアプリがない
シンプルなスマホから先生を探して
電話をかけて見ると
すぐ近くまで来ている事がわかった

赤「淳太！急ぐぞ」
黄「ん…」

さっきよりも温度の高い淳太の身体を支えながら歩き出す

あの大通りで合流やからもう少し！

黄「やっ！」
赤「！」

建物の影から手が伸びてきて
淳太の手を掴む
咄嗟のことで払われへんかった

赤「おぃ！離せ！」
黄「お前好きやない！」

ん？淳太の返し変やぞ？
そう思いつつもそれどころではない！
淳太のことを抱き寄せて
ソイツの腕を掴み握り潰すように力を込めると
淳太から離れてくれた

遠くからプップーとクラクションの音がして
そちらに目をやると先生の車やった

こうなったら逃げたもん勝ちや！
淳太を抱き上げて車まで走る