【忍たま】三禁なんてやぶっちゃえ！

8話 ページ8

「…また火薬委員は豆腐パーティーをやってるのか」


後ろから低い声が聞こえてきて振り返る。

「立花仙蔵先輩！」


立花先輩は焙烙火矢が得意武器なだけあり、知識も豊富だからよくお世話になっている。

先輩が私を数秒見つめて口を開く。



「そういえば…だいぶ前になるんだが。文次郎がAのことを褒めていたぞ」


へぇっ！？

潮江先輩、が？私を？？


予想外すぎる話題に豆腐を落としそうになった。




「い組に火薬を届けてくれた日があっただろう

その時に見かけによらず重い壺を1人で持ち運ぶ体力も根性もある。いい忍者になるだろう、とな。

あいつが人を褒めるのは珍しかったもので…」



うわぁ、うわぁ！！

鍛えててよかった…女だからって馬鹿にされないように頑張ってたのがここで！

「…あ、ありがとうございます！！」


先輩は食堂のおばちゃんに実習の時のおにぎりを頼みに来ていたようで

がんばれ、と声をかけて用事を済ませ帰って行った。



まだ頭の中でさっきの言葉がぐるぐるしていて訳の分からないまま久々知先輩を見た。

一見、いつもと同じ表情だけど…


4年間一緒にいた後輩を騙せると思わないでいただきたい。

先輩。めちゃくちゃ笑いこらえてますね。




「…Aちゃん…もしかして」


となりのタカ丸さんが私を見ている。


「あぁっ！もう！お豆腐食べましょ！！」


伊助と三郎次はきょとんとしてるけど

タカ丸さん、気づいちゃったのかな。



みんなの視線に耐えながら、平静を装ってもう一度お豆腐に手を伸ばした。

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