白のリコリスが咲く【Harry potter】 (ページ18)

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Aが着替え終わると、ドラコ達がニヤニヤと笑いながら何処からか戻ってきた。

「あのグレンジャーの慌てた顔といったら！ポッターとウィーズリーのやつ、汽車に乗り遅れるなんて____とんだ間抜けだな！」

どうやら、先程からドラコが毛嫌いしているハリー・ポッターはこのホグワーツ特急に友人と共に乗り遅れたらしい____ウィーズリーと聞いて、パッとジニーの顔が思い浮かんだ。

彼女は無事に乗れているのだろうか？

長期休暇までは学校で過ごす全寮制なのだから、汽車に乗り遅れただけでは〝学校に全く行けない〟と言うことは無さそうだ。

先生達の魔法さえあれば、瞬時に移動出来ることもあるのかもしれない。

ぼんやりと考えてみたが、魔法のことはほとんどわからないAにはどんな方法があるのかは検討も付かなかった。

間も無く汽車が駅に着くというアナウンスが入ったので、Aはこれから着替えるドラコ達に早めに別れを告げ、トランクを引きずりながらペットのクレヴァを探すことにした。

「君がスリザリンに入るのを待ってるよ」

ドラコはそう微笑んでいた。

クレヴァを探す間、Aは自分が入るべき寮はどこなのだろう、と考えた。

＿＿お母さんはレイブンクローだったと聞いたけど、彼はどこの寮だったのかな

あの時、Aは自己紹介以外リーマス・ルーピンと話すことは全く無かった。

彼が純血なのか、マグルのなのか、または両方の血を引いているのか、それも分からない。

どんなきっかけがあって母と出会い、付き合い、そして別れにいたったのか。

___母のことは愛していたんだろうか。

急に色々な疑問が思い浮かんだが、Aの生まれに驚き、否定するかの様な言葉を心の中で強く思っていたリーマス・ルーピンのことを思い出し、頭を振って考えるのを辞めた。

____どちらにしろ、彼はあまり私をよく思っていなかった。

少し寂しく感じたが、今はクレヴァを探すことに集中した。

ホグワーツ特急が止まって生徒達が降り始めても、Aはペットを見つけきることが出来なかった。

ダイアゴン横丁に住んでいる間も、姿を消すことはよくあった。

クレヴァは賢く、どこにAがいても戻ってきてくれることがあったのだから大丈夫だろう__

Aは汽車を降りて、『イッチ年生はこっちだ！』と大きな声を出している大男の元へと向かって行った。