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オルビカ島を出港したモビーディック号は、穏やかな夜の海を進んでいたが、その甲板では大勢のクルー達がガヤガヤと集まり賑やかな宴を開いていた。
「父さん、味はどう？」
「グララ！美味いぜぇ、こりゃ酒が止まらねぇなァ！」
Aが担当した前菜をアテに機嫌が良さそうに笑い声を上げるオヤジに視線を送りながら、マルコも近くにいたイゾウと酒を飲み始めた。
「こうして、父娘のやりとりを拝むことが出来るとは、幸せなもんだな」
そう言いながら自分のグラスを傾けるイゾウの表情はとても穏やかである。
「オヤジが嬉しそうで何よりだよい」
数日前までは想像もしていなかった光景に、マルコも自身の顔が緩むのを感じた。
自分達の仕事を終えた4番隊のクルー達がそれぞれ宴に参加し始めたところで、サッチも自分のお気に入りの酒瓶と前菜が盛られた皿を抱えてこちらにやってきた。
「よっ！Aちゃんが特別にって余った食材で作ってくれたんだ！みんなで食おうぜ」
そう言いながらサッチが置いた皿には、カルパッチョ、カプレーゼ、ブルスケッタ、爽やかな香りがするサラダ、トマトソースで絡められているショートパスタが乗っていた。
それらはマルコ、イゾウ、サッチのどの酒にも合う口当たりの良いものばかりだった。酒を飲んでいる間サッチはいかにAがキッチンで活躍しているのかということを熱弁していた。
「___ふっ、短時間で仲間と打ち解けあえる天性はまさにヘル譲りだな」
懐かしそうにイゾウが呟いた。
「そういや、Aはどこで飲んでんだぃ、4番隊の奴らの中に姿は見えないな」
ふとマルコがそう言うと、サッチは『ぁあ、』とニヤリと笑みを見せながら答えた。
「配膳が終わった途端にエースの奴が掻っ攫っていったぜ。あいつ、Aが2番隊じゃないのが随分と悔しいらしいな」
そういうサッチの視線に合わせてそちらの方を伺うと、顔を真っ赤にさせて酒を煽るエースがガッチリとAの肩を抱き寄せて密着しているのが目に入った。少しばかり、イラつきを感じる。
「、、なんだあれは。くっつき過ぎだろい」
「そういう関係なのか」
マルコとイゾウの言葉にサッチもニヤニヤとしている。
「おーおー、お熱だね！ちょっくらからかってやっか___A、エース！！ちょっとこっち来いよ」
サッチの呼ぶ声に顔を上げたAとバチリと視線が交わり、マルコは自分の心臓が誰かにドン！！と殴られた様な感覚を覚えた。
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ひまわり。(プロフ) - アイズさん» コメントありがとうございます！励みになります^ ^頑張ります！ (2021年3月19日 16時) (
レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみにしてます！ (2021年3月19日 2時) (レス) id: 3dc7d1a49b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年2月14日 21時
