・ ページ21
自室をいくらか見回した後、マルコとAが次に向かったのは同じ階にあるテラスであった。
「オヤジの部屋で会議する前に、ここでAの戦闘能力を見させてもらおうと思ってるんだが」
マルコがそう告げると、Aは嫌な顔をせずに頷いた。
本来であれば、新入りの能力確認の為の戦闘はその本人の少し格上の者とさせているが、Aは女戦闘員になる予定であることと、�牘雖瓩�扱える能力であること、以前銃やナイフを所持していたということを知っていた為それらを使った能力も知りたいという点から隊長格であるマルコが直々に行うこととなった。
あまり見世物にならないようにと甲板とは違ったこのテラスで行うことによって、見学者はオヤジ・各隊長(9番隊ブレンハイム、10番隊クリエル、11番隊キングリュー、13番隊アトモスは別行動によって不在だ)と限られたメンバーが集まった。
「いいか、どちらかが床に背を付けたら負け。互いに能力者である為に海に落とすのは禁止！今回はAちゃんの戦闘能力の全てを知る為の物だから、手持ちのナイフと銃も使ってくれよ」
「俺はいくらでも再生できるから気にするな___本気で来てくれい」
マルコのその言葉が始まりの合図だったかのように、戦闘が始まり、Aは瞬時にテラスの床を蹴りマルコに向かって走り出した。
初めの一撃は覇気を纏った蹴りであった。
「ぐっ！」
手をクロスさせて攻撃を受け止めたマルコは、すぐに体勢を整え、先程受けた攻撃よりも遥かに強い覇気を纏った蹴りを返す。
ドカ！
ほとんど、ふた周りに近いほど年の離れた女を蹴り飛ばしたことに少しの後悔の気持ちが芽生えるが、攻撃を受けて吹っ飛ばされたAは鳳凰に姿を変えてその場を舞った。
「火銃羽！！」
Aの声と共に、鳳凰の炎を纏った羽が銃弾の様に素早くマルコを襲う。攻撃を避けずにまともにくらい、自身の能力で傷を癒したマルコを見た鳳凰姿のAは表情を歪めた。
「疾風炎」
「あっちぃー！」
鳳凰が放つ炎の風に見学者達がわらわらと声を上げる。マルコは自分の炎と違い実体のある炎に満足げに笑みを見せていた。
攻撃後すぐに人間の姿に戻り、息つく間もなく手持ちの拳銃でパンッッ！！と銃弾を放つ。笑みを見せていたマルコは再び避けることはしない。
マルコの眉間に銃弾が貫通する。
___生身の人間であれば急所に至る箇所を激しく動きながら確実に撃ち抜く才能に誰もが関心の目を向けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひまわり。(プロフ) - アイズさん» コメントありがとうございます！励みになります^ ^頑張ります！ (2021年3月19日 16時) (
レス) id: 0e882bf437 (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新楽しみにしてます！ (2021年3月19日 2時) (レス) id: 3dc7d1a49b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひまわり。 | 作成日時：2021年2月14日 21時
