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-09- 杏 ページ9
結局、陽葵からはいじめについて聞き出せなかった。
でも、テニス部に助けられたことがあるってことはわかった。何が原因で助けられたかは聞けなかったけど、多分……いじめのこと、なのかな。
そうなれば、私が今すべきことは1つ。
『丸井くん、仁王くん。ちょっといいですか？話したいことがあるんです』
あまり男の子と関わりたくないけど、陽葵が話す素振りを見せない以上、この人達に聞くしか無い。
しかも今、陽葵は委員会中。聞くなら今しかない。
「えっと、確か陽葵と一緒にいる、A？だっけ。何の用？」
『ここじゃ話せないので、着いてきてくれません？』
「別にいいが、手短に頼む」
『……すぐに終わります』
私は、制服のポケットに例の置き手紙と画鋲が入っているかきちんと確認した。
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作者名：牡丹 | 作成日時：2022年5月1日 14時
