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-49- 黄百合 ページ49
(No，side)
「Aちゃんどっか行っちゃった〜！陽葵さーみーしーいー！」
そう、嘆くと、陽葵は深いため息をついた。
「つべこべ言わずにちゃんと食べろよぃ」
「え〜だって、Aちゃんとお話するの楽しくてご飯どころじゃなかったんだよ！」
陽葵の癖である、怒ったときにほっぺを膨らます仕草をした。そして、陽葵は、とても小さな弁当箱の中身をぺろりと平らげ、椅子から立ち上がってどこかへ行こうとしていた。
「お、おい！どこいくんだよぃ」
「Aちゃんのとこ！！！」
捨て台詞を吐くように、そのまま図書室へと駆け出した。
「あいつ…ほんとAのこと大好きだなぁ…ったくよ〜」
丸井はやれやれ、と言わんばかりの露骨な表情をした。
「ブン太、Aのことで話したいことがあるんじゃ」
「おう、なんだ？」
丸井は“A“というワードに少し心が揺らめいた。
「お前、嘘ついたじゃろ」
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作者名：牡丹 | 作成日時：2022年5月1日 14時
