向日葵はいつも私を見ている【テニスの王子様】 (ページ28)

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-28- 山査子ページ28

「ただいまの女子選抜リレーの結果を報告します。1位B組、2位C組、3位A組、4位…」

放送係のアナウンスによって、リレーの結果が正式に発表された。

私達のクラスは、陽葵の怒涛の追い上げのおかげで6位から2位になることが出来た。だけど、1位にはなれず、A組が3位であるため大差をつけることも出来ず、C組は学年2位という結果に収まった。

『……陽葵、ごめんなさい。私があんなところで転けてなければ』

「Aちゃん、全然大丈夫だよ。そんな気にしないでよ！」
陽葵は笑顔だった。汗がキラキラと輝いていつもと雰囲気が違っていた。

それでも、笑顔の中に苦い色があった。
私の事を心配しているのだろうか、1位が取れなくて悔しいのだろうか。今の私にはわからなかった。前を向けなかった。

「陽葵すげぇな！あの絶望的な状況からの追い上げとか早々出来ねえよ！！あの時の陽葵は陸部の俺より速かったぞ！」

「陽葵ちゃん、ありがとう！私達陽葵ちゃんのおかげで2位になることが出来たんだよ！」

「そうだよ！陽葵ちゃんは本日のMVP決定〜！」

クラスメイトは陽葵の所に駆けつけた。
そこには陽葵を囲んだひとつの塊ができ、賞賛の嵐が巻き起こっていた。

私は申し訳なさから、陽葵と目を合わせることも出来ず、俯いたまま、

誰もいない校舎裏へと、自分の足音に追われるように走った。