向日葵はいつも私を見ている【テニスの王子様】 (ページ20)

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-20- 山査子ページ20

時が過ぎるのは早いもので、弁当事件から約1ヶ月が立ち、5月13日。ついに体育祭本番の日が訪れた。

「皆さん、おはようございます。皆さんの日頃の行いのおかげで、本日はまたとない好天に恵まれました。また、早朝より……」

校長先生お得意の長話が始まった。こんなに暑い日差しの中で10分も立ちっぱなしでいるのはそこら辺にいる修行僧と変わらないんじゃないかと毎度毎度感じている。

『ねえ、丸井くん。さっきまで仁王くん隣にいたはずなのに、どっか行っちゃったの？』

校長先生の話が始まる前まで確かに私の隣にいた。

「あぁ、仁王？あいつは暑いの苦手だから、抜け出したと思うぜ」

『抜け出した！？』

「中学の時から仁王はすぐにふらっとどっか行っていつの間にか帰ってくるんだ。猫みたいなやつだろぃ？」

『……確かに。猫みたいだ、仁王くん』

「でもよぃ、仁王が抜け出したくなる理由もわかるぜ、今日は暑すぎる。日差しが強い上に湿気も普段の倍以上ある。とても体育祭に向いてるとは言えねえ天候だろぃ？」

『私、暑いの嫌い』

「じゃ、Aは暑がりなのか？」

『そうだけど、寒いのも嫌い』

「どっちもじゃねーか」

早く校長先生の話終わってくんないかな。