向日葵はいつも私を見ている【テニスの王子様】 (ページ16)

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-16- 山査子ページ16

目覚めるとちょうど話し合いが終わった頃だった。実に快眠だった。

冬眠から目覚めた熊のようにもぞもぞと動き出し黒板に目を移した。

“借り物競争“か。変なお題出たら嫌だけど、あんまり身体能力に関与しないものだから助かった。

「選抜リレーの選手をもう一度確認します。女子は夏木さん、三井さん、藤岡さん、早川さん、佐倉さん、Aさん。以上六名でよろしいですか？」

全然よろしくない！！！！！

『ちょっと仁王くんなんで私リレーの選手になってるの』

隣の席の仁王くんにそう尋ねた。

「誰も代表に立候補するやつがいなくてのぅ……この間の体育の50m走でタイムが良かった上位6名が自動的に選抜されたんじゃ」

私そんなに良いタイムじゃ無かったはず、なのに。つくづくついてないなぁ。

……そういえば、私クラスで7番目じゃなかったっけ？それにこのクラスには、タイムが1番出ていた陸上部の林さんが居たはず。

『仁王くん仁王くん。リレーに林さん出ないの？』

「林は肉離れして体育祭には出れないぜよ。インターハイ出るために命懸けでリハビリしてるから体育祭には出たくないと言っていたんじゃ」

『そ、そうなんだ』

林さん早く怪我治るといいね。

って、人の心配するのはいいけど自分の心配もしないといけない。

……寝てた天罰喰らっちゃったな。起きてちゃんと反対してたならなんとかなったかもしれない。

「A、脚は大丈夫なんか？」

『うん、今は大丈夫だと思う。でも正直自信無いな、走るの』

「結果は嘘をつかないぜよ。Aがクラスで7番目に速かったことは変わらないんじゃ。選ばれたからにはがんばりんしゃい」

『……がんばる』