北さんの妹、不良少女につき。【角名倫太郎】

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No side


土産屋の人集りを避けながらレストランを目指す。当たるだけの手がいじらしい。
ジリジリとした日差しに照らされながら大きく開けた道を歩む。この人混みの中となれば尚更。





「暑い…」




「そうだね…」




「もう無理や、あのいちばん近そうなとこでええ？」




「いいよ、俺も無理…」




グダグダと歩いた先に見えてきたのは綺麗なテラスがある洋風な建物。
テラスには客はおらず、空いていることが伺える。
店内に入るとやはりそこまで人は居なかった。
注文も並ぶことなくすぐに終わり、物もすぐに受け取ることが出来た。




店内の空いていた席にお互いが向かい合う形で座る。
ようやく落ち着いて座れた。はぁ、とどちらともなく息が漏れる。涼しく快適でピーク時間前の店内は休憩にぴったりだった。





Aはアイスコーヒーに口を付け、カップを置き手を合わせる。
サンドウィッチを手に取りがぶりとかぶりつく。美味しそうに頬張る姿をみて角名は幸せそうに目を細める。



「…そんなに見られると恥ずかしいんやけど。」




「美味しそうに食べるなぁって。」




「答えになってへんで…」




眺めていても空腹は収まるはずもなく角名もホットサンドに口をつける。やっぱりこの時期の温かいものはやめた方が良かったかな、と思いつつも美味いので許した。

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