9.不穏 ページ9
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「角名くん」
倫太郎の席の前に立ち、私は彼の名字を呼んだ。
下の名前で呼んでいいって、聞いた日のことを思い出すけど
今は拒絶されるのを恐れて体も震えるくらいだ。
長い月日は思っていたより、二人の距離を遠ざけた。
「何か用？」
「バレーボール……まだ続けてるんやね」
「まぁ………そりゃあね」
「……あの。試合とか、見に行ってもええ？」
「……別に、俺がいいとか悪いとか言うことじゃないし」
気まずい空気は変わらない。
でもここでひるんだら………何も変わらないんだ。
「あの……じゃあ、試合あるとき、教えて！」
思いきってそう言った時
誰かに肩を叩かれる。
「あんた誰？」
それは知らない女の子だった。
倫太郎のクラスの子かな？
「あの……私、中1ん時角名くんと同じ中学やって…」
「そうなんや。私、倫太郎の彼女やで、倫太郎狙いなら諦めてな」
半ば予想はしてたから。なんだかあんまりショックも受けなかったし驚かなかった。
そっか、彼女できたから………私によそよそしかったんか。
「おい、勝手なこと言うなよ。こいつはただの中学からの友達だから」
倫太郎がその子を止めて否定する。
よくわからんけど、仲良いことには変わりないんやな。
「……ほな、邪魔したな。もう行くわ」
もうやめた方がいいんかな。
これ以上しつこくして………惨めな気持ちになりたくない。
すっぱりと諦めるしか………。
「昨日の女！お前角名狙いやったんやな。偉そうなこと言ってお前もただのミーハー女やん！」
最悪のタイミングで、倫太郎のところに宮侑がやってきた。
「なんや、やるんか？」
私が睨んだので、宮侑はバカにしたような表情で私を見た。
けれど私はもうこれ以上言うこともない。
黙って5組の教室を後にした。
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茜(プロフ) - ぬーすけさん» コメントありがとうございます！角名くん原作だけではわからない部分が多いので結構捏造しちゃってますが、そういっていただけると嬉しいです。励みになります！頑張って更新していきます！ (2019年7月20日 12時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ぬーすけ(プロフ) - コメント失礼します。角名くんの設定やオリキャラの立ち位置も素敵だなぁと思って読まさせて貰いました。面白いです！更新頑張ってください(*^^*) (2019年7月20日 8時) (レス) id: fde1a18fb1 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます！前作と違って甘い感じはほとんどないので申し訳ないのですが……頑張って更新します！ (2018年11月2日 17時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - 続編おめでとうございます！！もう、最初っからとても面白いです…。角名くん、何があったのかとても気になります…！更新頑張ってください！応援しています！ (2018年11月2日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜
| 作成日時：2018年10月31日 9時
