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50.誘引 ページ50

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どうせ同じ方へ行くのなら…と、倫太郎と二人で並んで歩いた。



「…今日は母さんの旦那さんが夜家にいないらしいから、初めて俺の弟見に行くんだ」

「え!?そうなん?よかったなぁ!」



もう以前のような悲しい表情は消えていた。
色々と吹っ切れたんだろうか。
お父さんの違う、倫太郎の弟かぁ…。



「一緒に行く?」

「え!??」


倫太郎がつぶやいた言葉に驚く。
彼は微笑んで、すぐに話題を変えた。
色んなことがいきなりすぎて、頭がついていかない。



「紫、好きな人ができたらしくて相談にのってた」

「す、好きな人?そ、そうなんや!同じ学校の人かなぁ?
ってか紫ちゃんなら相談なんていらんやろ、あんな可愛いんやから皆好きになるやん!」



私から聞く前に紫ちゃんのこと話すとかずるいわ。
私が気にしてたって、気づいてて言い訳してる?



「いや、彼女がいる人だって言ってたな。
それに綺麗とか可愛い人だって、皆に好きになってもらえるわけじゃないでしょ」

「まあ…そうやな…」



まさか倫太郎と恋愛の話なんかするとはなぁ。
電車の方向も同じなので、結局ずっと隣で話している。



「あ、次の駅だ。母さんち」



私の最寄り駅より3駅前。
次の駅でバイバイか。
なんとなく、名残惜しさを感じていた時。



「やっぱりAも行こ。母さんも喜ぶし」



駅に着いたと同時に倫太郎は私の手を引いて、そのまま電車を降りた。



「え、あの!?」

「帰りはちゃんと送るし」



拒むことなんて本気になればきっとできたと思う。
けれど私は…嫌じゃなかったんだ。
嬉しかったんだ。
倫太郎とこのまま、もっと一緒に居たいと思った。

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(プロフ) - ぬーすけさん» コメントありがとうございます!角名くん原作だけではわからない部分が多いので結構捏造しちゃってますが、そういっていただけると嬉しいです。励みになります!頑張って更新していきます! (2019年7月20日 12時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
ぬーすけ(プロフ) - コメント失礼します。角名くんの設定やオリキャラの立ち位置も素敵だなぁと思って読まさせて貰いました。面白いです!更新頑張ってください(*^^*) (2019年7月20日 8時) (レス) id: fde1a18fb1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます!前作と違って甘い感じはほとんどないので申し訳ないのですが……頑張って更新します! (2018年11月2日 17時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - 続編おめでとうございます!!もう、最初っからとても面白いです…。角名くん、何があったのかとても気になります…!更新頑張ってください!応援しています! (2018年11月2日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年10月31日 9時

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