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9.近づける距離 ページ9

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中学に入ってからしばらくすると。
誰と誰が付き合い始めたとか、そんな話が浮上してきた。
やっぱり中学生にもなると出てくるなぁ…。まぁ私はそんなん縁もないけど。
角名くんはどうなんやろな。



角名くんはかっこいくて一応モテるけど
どっかというと大人しい方やし、そんなしゃべらへんし
女の子と付き合うとか、あんまり想像できへん。
紫ちゃんは角名くんのこと好きみたいやけどな……。
どうせかなわへんから、別にもうええねん。




「そういや諒も昔ほどモテへんくなったなぁー?ざまあみろやわ」
「うるさいわ!俺は別にモテんでええねん!」
「またまた。ほんまは悔しいくせに」



憎まれ口を叩きあってると、紫ちゃんはニコニコしてこっちを見てる。



「仲良いよね、二人」
「小学1年の時からの、腐れ縁なだけやよ」



一緒に過ごした期間なんて。関係ないなんて言えるんやろか。
角名くんとは……2年間やけど。
私、なんだかんだ最初に角名くんに惹かれてから
ずっと今まで好きやし、他の誰かを好きになったこともないんよ。
部活を決めるときに、マネージャーがどうのこうのって角名くんとモメたことがあったな。
それから……っていうわけでもないけど、クラスも違うし話す機会が少なくなった。




「紫。部活の顧問の先生が昼休み集まるってさ」



3人で話していると、角名くんがうちのクラスへやってきて紫ちゃんに話しかけた。
角名くんはいつの間にか紫ちゃんのこと、下の名前で呼び捨てで呼ぶようになったな。



「へー、角名が女の子のこと下の名前で呼んどるん初めて聞いたわ。お前ら、付き合ってるん?」



諒がそう言うと、角名くんは真っ赤になった。




「ち……違う……付き合ってない!」




ふうん。角名くんも照れたりするんやな。
ほんまに………二人、ええ感じなんと違うん。




「へえ?そうなん。でもお前小学校の女も誰のことも呼び捨てで呼んでなかったやん」



諒が煽ると、角名くんは更に真っ赤になった。



「諒、あんたからかうんもいい加減にしいや。角名くん困ってるやろ」



私が諒を小突くと、角名くんはいつもより少し大きな声で言った。



「なら……俺稲畑のこともAって呼ぶから」
「……へ?」



突然のことで、ときめく余裕すらなかった。
角名くん、今更何言うてるんやろ?



「それじゃ!」



そのまま彼は教室を出ていった。

10.本心を口にすること→←8.離れていく距離



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(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!私ももうちょっと長く書きたいなあーって思っちゃいました。また、続編書ける時が来たら書きたいです。応援してくれてありがとうございました! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 愛永さん» ありがとうございます!こんなの角名くんじゃない…って思われないか心配でしたが、楽しんでもらえたなら良かったです!続編、頭に浮かんでいるのはこのお話とがらっと雰囲気変えた話なのですが、いつか書きたいです! (2018年10月29日 18時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
すいみ〜 - もももも、もう終わっちゃうの〜??素敵な小説を書いてくれてありがとうございました〜!正直、まだ終わってほしくないです〜!!!でも、お疲れ様でした!続きを期待しちゃってます・・・! (2018年10月29日 17時) (レス) id: a616d0f8f5 (このIDを非表示/違反報告)
愛永(プロフ) - おぉぉ…完結(?)おめでとうございます!凄い感動しました…。続編、もし作者様が書けるのであれば書いて欲しいです…!角名くんの小さい頃のツンデレ感最高でした! (2018年10月29日 17時) (レス) id: ba4d172ca4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すいみ〜さん» ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2018年10月25日 19時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年10月17日 17時

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