【20】電車の中で ページ20
.
混んでいる電車にのって、三人で話しながら帰った。
途中でぎゅうぎゅうになった車内で、身長の小さな私はフラフラになって。
そしたら裕くんがぎゅ、と私の腰を支えてくれた。
「あ……ありがと」
「うん」
雅紀は混雑のせいで少し離れてしまっていて、二人で密着しているのがなんだかとても恥ずかしかった。
「えと……」
「危ないから捕まっとき」
身をよじって体勢を整えようとしたら、逆にぽすんと裕くんの胸に寄りかからされた。
ちら、と裕くんを見上げると、裕くんは斜め上を見つめていた。
ガタンガタンと電車が揺れる。
それに合わせて私たちの体も揺れる。
そして大きく揺れる度に裕くんは私を支えてくれた。
「大丈夫か？」
頭の上から裕くんの声が聞こえた。
「うん」
「もう少しやから」
「うん」
優しいんだよね、裕くん。
知ってる。
だから裕くんの彼女が心配するのもわかる。
他の女の子にも、こんな風にしてあげるのかな。
もう一度、裕くんを見上げると今度は裕くんと目があった。
「……じっとしとけよ」
それだけ言ったあと、裕くんはまた斜め上を見ながら私を引き寄せた。
「うん……」
見たこともない裕くんの彼女のことが頭をよぎったけど、そしてその子に何となくごめんなさいと心の中で呟いたけど。
今だけ。
今だけ初めて。
裕くんの腕の中で守られている気分を味わいたかった。
「………」
裕くん。
小さくそう呟いて、裕くんのシャツをそっと握って、その胸に寄り添った。
そんな私を裕くんは何も言わずに、ただ受け止めていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
＊砂のプリン2＊ 黒/緑 Yoko*Masaki 【完結】＊砂のプリン＊side A ”Farewell Gritty Pudding" 3 ＊砂のプリン＊side A ”Farewell Gritty Pudding" 2もっと見る
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりい(プロフ) - あかねさん» ゆゆゆゆうきゅんが！(ゆうきゅんと呼び隊です)書いている私も最近ヨコを観察しすぎてメロメロなのです。キュンキュンしていただいてありがとうございます！がんばります！ときめきトゥナイト！(世代) (2015年4月9日 19時) (
レス) id: decf800733 (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - パープル☆プー坊さん» 腰だいぶいいですー☆ありがとうございます！初めてのエイトさんなので、エイターさんたちが楽しんでいただけているかどうかがとても気がかり。。。そんな中のコメント嬉しいです！ヨコちゃんってこうして書いてみるとすごい男前なのを再認識しています！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: decf800733 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - こんばんは(*^^*)ゆゆゆ裕君が！最後キュンキュンしました〜！最近テレビで裕君見るとこのお話思い出して一人ウキウキしてます！笑 次の更新もお待ちしてます(*^◯^*) (2015年4月5日 23時) (レス) id: e5ad17d282 (このIDを非表示/違反報告)
パープル☆プー坊(プロフ) - 腰の具合はいかがですか？ 久しぶりの更新で、めっちゃ嬉しいです♪今回もドキドキしました// 少しずつヨコとの距離が縮まってて嬉しいです。 (2015年4月5日 13時) (携帯から) (レス) id: 75e45587fd (このIDを非表示/違反報告)
りりい(プロフ) - パープル☆プー坊さん» ほんとそうですよ！夕食の分のお弁当買ってきてくれるといいのに笑ありがとうございます。私もエイトさんも嵐さんもみんな大好き！でも、エイトさんだとつい見てしまう、それがヤスくんです。ギャップ萌え☆ひなちゃんも大好きです！ (2015年3月28日 7時) (レス) id: decf800733 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りりい
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=lily1022
作成日時：2015年3月21日 2時
