甘党な筋トレスペシャリストな彼。

Lesson 37 ページ38

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ダイエットメニューが引き締め重視になってから、しばらくして見た目にわかるくらい痩せた。

見た目もだけど、もちろん体重も。




『わっ･･･！もうちょっとで標準体重･･･！』




とても嬉しいことなのに、素直に喜べなかった。


目標達成すれば、ひかるくんと一緒にいる意味がなくなってしまうから･･･。




『･･･いや、痩せたのはいいことなんだから！』



いつまでも、ひかるくんに迷惑かけてちゃダメだし！






あ、そうだ。

ひかるくんに、いつもお世話になってるお礼でお菓子でも作ろうかな。

ひかるくんのおかげで、標準体重に近づいたよって。


もらってくれるかな？

･･･もらってくれたらいいな。




なんて、ちょっと浮かれてた自分を後悔した。







　



翌日、いつも通り仕事が終わってからジムに行く。


ちょっと違うのは、荷物。

昨日、ひかるくんへのお礼として作ったお菓子が入った紙袋がある。


･･･喜んでくれたらいいな。

ついでにタピオカドリンクも一緒にあげようかな。


と、向かったのはジムの隣にあるカフェ。

初めてひかるくんと会った時にきたお店だ。



もはや懐かしい･･･

なんてことを考えながら、ふと窓ガラス越しに店内に目を向けた。





『･･････ぁ』





店内にいたのは、キレイな女性と優しい笑顔で話すひかるくん。


･･･あんな顔、見たことない。






そっか･･･


そうだよね。




ひかるくんはすごい素敵な人だし、彼女いるよね。



やだな･･･


また勘違いしちゃった。




もしかしたら･･･なんて、私なんかにありえないのにね･･･。





森「あれ？Aじゃん。
　 こんなとこでどうしたん？」

『ぇ･･･ぁ･･･慎太郎･･･くん？』






店内の2人を見つめたまま動けないでいたところに、後ろから声をかけられた。


そこにはこれからジムに行くであろう、慎太郎くんで。




『あ、あの！っ･･･そうだ、これ！あげる!!』

森「え?!ちょっ･･･！A!?」





我に返るとお菓子の入った袋を慎太郎くんに押し付け、急いでその場を後にした。








もう、ジムに来るのやめよう。

たくさん教えてもらったもん、あとは1人でもできる。


目標体重までもう少しだし！

大丈夫、なんとでもなる。



ちゃんと挨拶できなくて、ごめんなさい。









岩本さん･･･、今まで本当にありがとう。












この日から、私がジムに行くことは無くなった。
　

　

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