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謎の妖怪 ページ7

大天狗は私の腕を引き、大きな木の影に隠れた


何かが近付いてくる方向に目を鋭くする大天狗は、先程とは違う別人のように見えた


それより…近すぎないですか!?


大天狗は木に背中を向けた状態だったので、引き寄せられた私と向かい合うような格好になり…


しかもしっかり腰に手を回されてるし!


今日はもう色んなことありすぎだ〜


「叢原火か」


大天狗がそう呟いたのを聞き逃さなかった私は、少しだけ背伸びしてその妖怪を見た


3つの顔を持った、頭部だけの妖怪


炎色に染まった怒りに満ちた顔

恐怖か怯えか、深緑色の顔

江戸時代の女にいそうなおめかしした白い肌に、目から黒い涙が伝ったような跡がある、企み顔


"怖い"

そう認識した時ヒヤリとした感覚が、背中を支配した


大きくて不気味な妖怪が、うようよとそこを浮遊してるのかと思うと、怖くてたまらなかった


もう見るに耐えなくなり、私は大天狗の白い狩衣をギュッと掴み顔を埋めた


お願いだから早く何処かに行って!


しかし、そんな私の懇願があの化け物に伝わるわけがなく、ずっとウヨウヨと浮回したままだ


「A、怖いのか」


大天狗は優しく話しかける


そんなの、当たり前でしょ


私は頷く


すると、頭が撫でられる感覚に陥った


子供を優しくなだめるような、そんな優しい手つき


大天狗は私の頭を優しく撫でていたのだ


「我を誰だと思っている?凶悪な鬼どもを多々打ち破ってきた大天狗だぞ」


少し自慢気に言う大天狗が、茨木童子より強いか強くないのかわからないが…不思議と、力強さを感じた


大天狗のこと、信じられるような気がする


私は大天狗を見上げた


そこにはクールな表情の裏に自信があった


「我がそなたを守ってやる」


ここで待っておれ、と言って叢原火の方へと歩いて行った

風を操るもの→←名前があるの



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時

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