そうじゃない ページ49
「だったら二度と聞くな。次聞いてきたら殴るぞ」
私は最後の一言を聞き逃さず、心が踊って
「今殴ると言ったか友よ！ああ良いとも！さあ、はやく、この高揚が鎮まぬうちに！」
言い終わると同時に視界が真っ暗になった
酒臭さと妖気、何か鎖骨と背中あたりに牙のようなものが刺さっているのを感じると、鬼瓢箪に喰われていることがわかった
「少しは口を閉じろこの単細胞が！…チッ、せっかくの酒が台無しだ」
外から苛立っている友の声が聞こえる
「友よ、暗くて見えぬぞ」
自分の声が反響して、耳の鼓膜が揺れた
このままでは友が私を打ち負かしてくれないではないか
すると、遠くから爆音が聞こえてきた
「何が起きたのだ？」
ええい、暗くて見えん！いい加減離してくれないか！
動かせる左手で鬼瓢箪を叩くが、全く意味がなかった
「噂の悪鬼が人間の集落を襲ったらしいな」
噂の？
「叢原火か？やつは何体も存在している」
「いいや、やつではない…復讐に燃えている鬼が次々と人間の集落を襲っている話を聞いた。こりゃ関わらん方が福だ」
そう言い、友が盃で酒を飲む音が聞こえてきた
「ん？あの水色の狩衣….安倍晴明！？おい鬼瓢箪を返せ！」
すると視界が明るくなり、鬼瓢箪から解放されたと思えば、友は安倍晴明を追いかけていってしまった
「しゅ、酒呑童子！私も行くぞ！」
友が行くところに私もついて行く、二言はない
そして人を襲う鬼….もしAに被害があったら困る
私は地面を蹴り、友の後ろを追いかけた
____________________
襲われた集落に着くと、逃げ惑う人間達が悲鳴をあげていた
燃え盛る家、倒壊した木の破片、集落の面影は残っていなかった
「随分酷い有様だ」
人間がどうなろうが、私には無関係だが
歩き進むと、安倍晴明と弓使いが突っ立っているとが見えてきた
放つ妖気で気がついたのか、2人はこちらに振り向く
「お前達は…」
狐目の晴明が口を開いた
「安倍晴明、何ボヤッとしている。このままだと陰界から悪鬼が溢れ出るぞ」
友が呆れたように言葉を紡ぐ
「何しに来たんだ」
弓使いが目を鋭くして問いかけてきた
「君達の行くところには何かしら退屈せんからな」
もしかしたら、ここで強力な悪鬼が現れれば酒呑童子は戦い、戦いのあの高揚を思い出してくれるはずだ
この好機、逃さんぞ！
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
