好きな人の温もり ページ46
「…さて、晴明の所まで送ろう」
そっと温かい体温が私から離れた
「茨木童子？」
「私は友を探さなければならない」
あっ酒呑童子！茨木童子が人間の女と恋仲になったと知ったら…
「ねえ、酒呑童子怒らない？あなたが人間である私と恋仲になったって知ったら…」
酒呑童子がさらに茨木童子と距離を置きたがる気がする
「心配無用だ、彼なら私が誰かに夢中になることを望んでいるはずだからな」
ん？それってどういう意味？
私が納得いっていないのが伝わったのか、茨木童子は言葉を続けた
「私が誰かに夢中になれば、自分にはしつこく追いかけ回されないと思っているらしくてな」
だが友よ！私が君に強さを求め続けることはかわらんぞ！と更に意気込んだ
…酒呑童子、ごめん
逆効果でした
「い、いいよ！私邪魔しないようにすぐ帰るね」
私は慌てて立ち上がる
危ない…私も一緒に探したいだなんて、言えないよ
さっきも私がいたせいで茨木童子は攻撃をかわせなかったし
まだあいつの分身がいるかもしれないし
それに酒呑童子は、茨木童子にとってかけがえのない存在なことに変わりない
「そうか、気をつけて帰るんだぞ」
「うん！」
私は茨木童子に別れの挨拶をして、その場から走り去った
また叢原火に遭遇したら嫌だから
走って、走り続けた
茨木童子の目線が私の背中に突き刺さらない所まで走ろう
ムキになって走っているせいか、すぐに息が上がり始める
もうちょっと傍にいたかった。そんな気持ちを押し殺す
麓まであと少しのところで、ここ(山)では聞こえないはずの鈴の音が、優しい声で鳴らすのが聞こえた
「…っわ！」
すると背後から誰かに横に抱えられ、体がふわっと浮いた
「いっ茨木童子！？酒呑童子探しは…」
どうして追いかけてきたの？
しかもお姫様抱っこって…恥ずかしい
初めて出会った時もされたけど、慣れないものだ
「気が変わった。君を晴明の所まで帰したあとに友を捜しに行く」
そう言って茨木童子は高い木へ飛び、そして隣の木へと飛び移るのを繰り返した
私が走るよりも、速いスピードで
「ありがとう」
私が惚れた鬼は、とても優しい
私はその優しさに甘えて、体を預けた
少しでも傍にいられるのが、こんなにも幸せなんだ
分厚い服から伝わる茨木童子の温もりが、心地良い安心感をもたらした
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
