壁 ページ5
寿命と程遠い妖と比べると、先にこの世を去るとしたら圧倒的に人間の方が早い
残されて悲しい思いをするのは…妖なのだ
「君でも、思い違えることがあるのだな」
茨木童子はフッと笑い不気味な笑みを浮かべた
「私は人間、いや、誰であろうと恋い焦がれることはない。そのような雑念、不要だ」
酒呑童子は酒が回っていても、見透かしていた
茨木童子がもう手遅れなことを
必死で想いを殺していることを
酒呑童子はそれ以外何も言わなかった
戦いのことしか頭にない鬼を落とした人間の女は一体何者なんだ、と考えても答えがでない自問を酒を飲みながら探った
____
「やっぱり約束の１つや２つを取り付けるべきだったかな…」
帰り道を歩いている途中、私は色々考えていた
いつ元の時代に戻るかわからない、その時までにはまた会いたい
…ん？ここの近くから笛の音が聞こえる
しかも聞き覚えのある音だ
間違いない、このまま真っ直ぐだ
私は寄り道することに決め、笛の音がする方は足早と歩いた
聞いているだけで心が安らぐ音を出すのは…
私はそっと隠れながら、音が聞こえる場所を覗いた
「〜♫」
やっぱり大天狗だ！
空に上がったばかりの月光を浴び、木の上から吹くその姿はまるで絵に描いたようで美しかった
…見れば見るほど容姿端麗だなあ
すると、私はある出来事を思い出してしまった
この人と、昨日初キスを…いやいや！忘れるのよ私！
頭を激しくブンブンと動かし、脳内からその映像を消そうとした
「そこで何をしておる、異界の者」
げっバレてた！私はそっとその場に足を踏み込む
「ごめんなさい、笛の音が聞こえたから釣られて来ちゃって…お邪魔しちゃった？」
大天狗は首を横に振り、大きな翼を広げて静かに、私のそばに着地した
わ、わぁっ…！
近くで見ると本当に美少年だ
現代だったらモデルとか？絶対売れるわ
「なぜそなたがここに？妖怪はあまり出ずとも、危険だぞ」
「屋敷の方へ戻る途中だったの。出たとしても全力で走って逃げるから大丈夫よ」
もうこの世界に来てから鍛えられてますからね！精神と脚力！
そう言うと、笑われてしまった
「そうかそうか、だが心配には変わらない。送ってやろう」
へ！？いや、申し訳ない
断ろうとしたが大天狗は構わずに歩き出してしまった
「屋敷とはどこだ、異界の者よ」
「安倍晴明のところです」
ほう、と大天狗は相槌をし団扇をあおぐ
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
