あなたじゃない ページ40
「そんな…」
もしかして、私が今まで感じていた強い妖気の正体はこいつ?
茨木童子とほとんど同じ妖気を纏っていることに私は認められなかった
私が、間違えた?
元々誰の妖気かはっきり分けられるほど敏感には感じられないが…
「やっとだ、特別な魂を持つ人間を喰らえば我等の目的は完成に近づく…!」
女側の方の顔が私を見上げながら、口を歪ませる
その不気味さに、悪寒が走ったのは言うまでもない
私を喰らう?目的って?
「目的って…なに?」
「ふっ仕方あるまい、冥土の土産として教えてやろう。…都の混乱だ。お前を喰らい強大な力を蓄え都中陰界の妖怪を放ち、火の海にする。人間どもの恐怖、憎悪、悲鳴…ああ、考えただけで心が躍る!」
都の、混乱?そんなこと、そんなこと!!!
「安倍晴明が許すとでも?例え私を喰らって力を付けても、勝てるわけない!」
それに、都を守る大天狗だっている…博雅達も!
「ふんっお前はあの世で都が恐怖で溢れるのを見てるがいい」
叢原火の口が大きく開かれる
あ、私喰われる…!
能力を使いたくても、お守りを持っているせいで無意味だ!
ギュッと強く瞼を閉じた
徐々に叢原火の大きく開かれた口が近付いてきているのが、一層強く感じる
怖い、…怖いよ!
茨木童子に会いに来ただけなのに、私が不注意なせいでこんな目にっ
あまりの恐怖に身体が震えた
死にたく…ない!
死ぬ間近、やはり目に浮かんだのは愛おしい鬼の姿だった
会いたかった声を聞きたかったもう一度、その左手で私を強く抱きしめてほしかった…
あの日、川で茨木童子と遊んだ思い出が走馬灯のように駆け巡る
「茨木…どう、じ…」
小さく名を呟いたのと同時に涙も頰を伝った
まだ、やり残したこと沢山あるのにな
あなたに"好き"の一言も伝えられずに死ぬだなんて
神様は、残酷だ
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はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時