おまけ 新年を迎えるとき5 ページ37
「すまないな、右手があれば…もう少しあたためてやれると思うのだが」
右手…
右の方のボロボロな袖を見つめる
事故なのか誰かに切り落とされたのか、わからない
そういう話を一切聞いてないから
少し興味はあるよ？だけど、あまり触れちゃいけないことだと思うから、極力避けていた
「寒さで痛む？」
「いいや。もう大丈夫だ」
もうって、前は痛かったってことでしょ？
妖怪のいう前ってどれくらいのことかわからないけど…
私は服の上から、茨木童子の右肩より少し下の部分に優しく触れた
「フッ君がそんな痛そうな顔をしてどうする」
頭の上から少し楽しそうな声が聞こえる
「この右腕は、…っ」
すると、茨木童子の眉間に皺が寄せられる
何かに恨みを持っているようだった
私は話続けようとする茨木童子の口に人差し指を当てた
この鬼は、プライドが高いから
腕を失った時、物理的な痛みも心の痛みの方が強かったのかもしれない
それなのに、わざわざ話そうだなんて
「無理して、話そうとしなくていいよ？」
「…っそうか」
茨木童子は再び私を抱きしめた
少し、穏やかな表情になったのが見えた
「君といると、戦いのことを忘れてしまう。こんな穏やかな気持ちになることは、今までなかったのに」
茨木童子が続けて口を動かす
「そう考えると、君と出会った今年は中々忙しかったぞ」
私はフフッと笑った
「私はこの世界に飛ばされてきたけど、皆んなと出逢えて嬉しかった。なんだかんだ、あの時茨木童子に助けて貰ってなかったら…今こんな風に過ごせてなかった」
思い出すは、初めてこの世界に来た時
天邪鬼に追いかけられ不思議な力が発動して、崖から落ちた時、助けてくれた茨木童子
「こうして楽しく生きているのは、茨木童子のおかげよ。ありがとう」
「ああ」
すると、日差しが差し込み、太陽が顔を出し始めた
新年の幕開けだ
「茨木童子、あけましておめでとう！」
笑顔いっぱいに茨木童子向けて言葉を発する
「ああ、今年もよろしく頼むぞ」
茨木童子はそんな私を見て微笑んでくれた
こうして2人で見た日の出は、特別なものだった
…今年も沢山、茨木童子と過ごせますように
心の中でそう願ったのは秘密
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
