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迷い ページ4

その質問に、思わず黙ってしまう


確かに、戻りたい気は少しする

だけど私の好きな人が目の前に、千年前のこの世界にいる


「……わからない、ここも嫌いじゃないけど私には元の世界に、大切なものを置いて来ちゃったから」


友達や家族、お世話になった先生や幼馴染み…

目に浮かぶのは、残して来た人達の顔

今頃何してるんだろうな

「…そうか」


茨木童子はその場で立ち上がり、流れ続ける川を見つめた


「大切なものなら、今ここにもあるぞ」

…ん?


座り続けている私を、茨木童子は見下ろす

「君は"命がある限り出会った人達を大切にしたい"んだろう?」

あっそれ私がさっき言った言葉…

自分ながら何だか恥ずかしくなり、耳を塞ぎたい衝動が走った

「そ、それは…わわっ」


茨木童子は座っていた私を片手で無理やり立たせ、その場で向かい合う形になる

「私もその1人と言ったな?大変だな、過去や未来に大切な者達がいて」

いつもの、挑戦的な笑みを私に向けた

言っている意味がよくわからなかったが、あまり深く考えないでおこう

「そうね、大変だよ」

日が傾き始めた空は、2人を優しく照らした

____________

山の入り口まで送ってもらった時には既に周りは暗くなり始めていた

…お別れだ

いつまた会えるのかわからないことに、不安を感じていた

「じゃ、またね」

私は期待を込めて、さよならだなんて言わなかった

茨木童子は何か言おうと口を開いたが、すぐにそれを閉じ

「…ああ」

その一言だけ私に残し、山の中へと消えて行った

その背中を見送ったあと、屋敷の方へと足を進めた

________

Aと別れたあと、 茨木童子は混乱していた

今まででは考えられない行動、胸騒ぎ

会って間もないはずなのに、気になってしまう存在


人間に、誰かに、大切だと言われたのは生まれて初めての茨木童子は確かに胸の奥に秘めている自覚してはいけないものがある

元の世界に帰ってほしくない。ずっとこの世界にいてほしい、そう思ってしまったのだ

「よお」

すると、この濃い妖気を醸し出すのはただ1人、酒呑童子だけであった

「随分と楽しそうだったじゃねえか。戦い以外の事も覚えたか?」

酒呑童子は鬼瓢箪の酒をグイッと飲んだ、

「…見ていたのか」

「少しだけだ。貴様が楽しそうな声を出すのが戦い以外の場ではあり得なかったからな」

だがなぁ、と酒呑童子は続ける

「…人間だぞ」

妖と人間

結ばれることがあったとしても、悲劇が待ち受けている

壁→←不器用だけど器用なやつ



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時

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