握り締められた手 ページ28
恥ずかしさで身じろぎながら訴えると
「っ冗談だ、愚か者」
あっ…
パッと手を離され、顔と顔の距離も離れた
空いた手に風が当たり、少しだけ冷めた
…んんっ？
よく見ると大天狗の顔が赤く染まっていた
「じ、自分からやっといて顔赤くするのやめてよ」
私までつられちゃうじゃん！
言わずともさっきから顔に熱が集中してたのに追い打ちをかけるように、さらに熱くなる
「そっそれは！そなたが………」
大天狗は先を言わず、口ごもる
私が、なに？
「何よ？」
「放っておけ」
大天狗は何事もなかったかのように、団扇を扇ぎ始める
どうやら何されようが口を割らないつもりらしい
頑固なんだなあ
中途半端にドキドキした気持ちを抑え、私は問い出すのは諦めた
「ねえ大天狗、お願いがあるんだけど」
「何だ」
私は息を吸う
「大天狗が吹く笛を聴きたいな〜………って」
へへへっと笑って尋ねる
断られるかな？
大天狗は指を顎にやり、考える素振りをみせた
「良かろう、但しこちらに条件がある…我より先に、そなたの歌声を聴きたい」
へ！？
「や、嫌だよ」
私は大天狗の笛が聞きたいのに…
「ならば我は吹かん」
そう言って再び団扇を扇ぐ
「わ、わかったよ！歌うからちゃんとそのあと吹いてよね？」
すると大天狗はニコッと笑ってみせた
「ああ、我は必ず約束を守るぞ」
なんか今日は調子くるうな…
早く歌って大天狗の笛を聞こう
小さく息を吸い、一言一言口に出して言葉を繋げた
先程まで降っていた雨が、いつの間にか止んでいた
自分の大きくもなく小さくもない歌声が、流れる風によってあちこちに運ばれていく
「〜♪」
決して長くない歌だが、語り継がれるのにうってつけだ
歌い終わると、目を瞑って聞いていた大天狗はゆっくりと目を開く
「…ふむ、良い歌声だ」
正直に褒められ、くすぐったい気持ちにかられる
「ありがとう。あの時も同じようなことを言われたきがする」
「ああ、初めて会った時か。あれは…っ」
大天狗は言いかけてた途中、顔を徐々に赤く染めた
えっなになになに？
初めて会ったとき、確か鯉の精と湖にいた時か
私と大天狗は…あ。
「…思い出しちゃったじゃないの！」
私は軽く大天狗の頭をペチッと叩いた
私の…私の初キスがこの天狗だったんだ！
熱が体の底から湧き上がる
「わ、我だって思い出したくて思い出したわけでない！」
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
