不器用だけど器用なやつ ページ3
「…よし、これでいいだろう」
茨木童子は器用に片手で結んだ
もしかしたら私より、器用なのかも
「ありがとう、茨木童子」
お礼を言い、巻かれたところを見つめる
茨木童子が手当を….
少しだけ頰が緩んだ
「はぁ、何だかこうやってたら制服も乾いてきた」
まだ湿っているが、風や気温はそんなに冷たくもないので、体が冷えることはないだろう
茨木童子の方を見やると、既に乾いているようだった
「…私ね、ここの世界の人じゃないんだよ」
茨木童子はいつもの表情で私を見た
何を考えているのか、わからない
「それは…知っている、突然この世にはない気配を身に纏う人間が現れるのだからな」
私の話に耳を傾ける気になったのか、ドカッと派手に座った
「じゃあ…」
私を息を飲み込む
「もし、この時代から千年後の世界から来たって言ったら?」
信じて、くれる_____?
「君の場合だとあり得る話だ」
私、何で今この話してるんだろ
心の中で自分を嘲笑った
まるで自分を知ってほしいみたいじゃない
いや、好きな人だからこそ知っていてほしい
私のことを…
「未来から来たんだ、私。ここに来るまで幽霊とか妖は全く見えなかったしこの変な力も無かったんだよ」
「ほう…未来と今では全く違うのか」
ううん、と私は首を振った
「今も昔も…変わらないものもあるよ。水遊びとか、自然、ほんの一部だけど建物だって大切に保存されているものもあるんだ。それでね____」
私は殆ど一方的に話した
それこそ、ちょっとした怪我をした時に貼る絆創膏とか
茨木童子とっては興味なかったのかもしれないが、黙って耳を傾けて聞いてくれた
黙っているだけでなく、時には相槌もしてくれて話が途切れることはなかった
そんな時、茨木童子は言った
「君は元の世界に戻りたいか?」
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はぐはまさ - ranさん» ranさん!読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね!少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます! (2018年2月3日 14時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん!あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません!暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます!久し振りに更新されてて嬉しいです(´`*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん!コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました!次作は大天狗との恋愛にします!笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年10月21日 23時