元・神様 ページ14
「…ッ」
ん？誰かいるぞ？私の必死の拝みを盗み聞きしている輩がいるぞ？
私は顔を上げて周りを見回すと…
「そこの人！盗み聞きは失礼ですよ！」
木陰で僅かに揺れていることに気が付いた私は、大声で叫ぶ
「ああ、すまない…珍しく人が訪れたと思えばっ君のような面白い人間がいるんだな」
木陰から現れた人に、私は息を飲んだ
頭や腕に包帯が巻かれ、着物の上に青色の羽織りをはおっており
顔の大部分は長い前髪で覆われ、緑の綺麗な瞳がみえる
髪の毛は白に近いと思っていたが長い髪の先に行けば行くほどピンク色に染まっていた
周りには1匹の龍が渦巻いている
間違いない、妖怪だ
私より背が高いその人は無言の私に目を見開いて慌てて姿を隠した
「すまない…このような醜い姿を見せるべきではなかったな」
ああ、我は一体何を…そんな独り言が聞こえた私は、深く考えた自分がアホらしくなった
なんだ、妖だけどみんなと同じだ
私はフフッと笑い声をかける
「すみません、龍を従わせる妖は初めて見たから…凄いなって見つめてたら誤解させちゃったね」
私は息を吸い込む
「そうなのか、それは安心した」
再び木陰から姿を現した彼は、ゆっくり私に近づいてきた
何か、神秘的な妖だな…
少年にも見えるこの妖怪は、私より身長高いに違いない
「我は一目連、君は…」
差し出された手を、慌てて重ねて立ち上がる
「A、一目連はここに住んでいるの？」
「いや、たまたま通りかかっただけだ」
すると一目連は寂しげに社に触れた
「…我は元々風を操る神だった」
えっ…？思いがけない言葉に、私は驚きを隠せなかった
一目連、神様だったの？
「昔、近くに集落があってよく祈りを捧げられたし風神として拝められていた」
彼はゆっくり瞳を閉じる
「我は人が好きでな、人々が困った目に合えばすぐに助けに参った…しかし」
一目連の声はまるで風のようだ
私の耳に一言一言、聞き逃さすことを許さなかった
この社は一目連を祀っていたんだ
「片目を失い、時が流れるとあっという間に人々忘れ去られてしまった」
「一目連…」
何て、声をかければいいのだろう
そんな私を気遣ったのか、一目連は微笑んだ
「だが我は人を嫌ったことがこれまでに一度もない。妖におちてもなお、我は人の心に寄り添っていたいのだ」
嘘じゃない、作り話じゃない、本当のことだ。この人は忘れ去られたとしても人のために
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はぐはまさ - ranさん» ranさん！読んで頂きありがとうございますm(__)m般若ですね！少しずつ物語の中で登場させていきます(^ ^)貴重なご意見、ありがとうございます！ (2018年2月3日 14時) (
レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
ran - とっても面白くて素敵な話ですね♪♪ 般若との出会いも見て見たいと思いました(*^^*) (2018年2月2日 23時) (レス) id: 1a72ca3fb7 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - いあち五めさん» いあち五めさん！あけましておめでとうございます(*^_^*) 更新遅くなってすみません！暫くこの状態が続きますが、許してください(°_°) (2018年1月2日 10時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
いあち五め - 明けましておめでとうございます！久し振りに更新されてて嬉しいです(´｀*)更新お疲れ様です (2018年1月2日 2時) (レス) id: 75ac0719d6 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - ふじさん» ふじさん！コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )わかりました！次作は大天狗との恋愛にします！笑 その作品を作るのにまだ時間がかかりますが、許してくださいm(_ _)m (2017年11月14日 16時) (レス) id: 1b3eeb1020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年10月21日 23時
